電子出版アワード2016 候補作品リスト

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●デジタル・インフラ賞
BCCKS(BCCKS)
紙と電子のセルフパブリッシングプラットフォーム。紙と電子のワンソースマルチユースを実現し、EPUB作成、共有編集、印税自動分配、ストア配本など多彩な機能でインディーズの支援を行っている。鏡リュウジ氏による「世界に1冊のオリジナル鑑定書」をパーソナライズド出版システムなどの取り組みも。
カクヨム(KADOKAWA・はてな)
KADOKAWAがはてなとタッグを組んで始めた小説投稿サイト。大手出版社が自ら主導してCGM(Consumer Generated Media:消費者生成メディア)を立ち上げ、コンテストも頻繁に実施。既に書籍化の実績も複数打ち立てている点を評価したい。
Maruzen eBook Library(丸善)
2012年1月スタートの機関向け電子書籍配信サービス・プラットフォーム。2016年8月時点で、170出版社3万タイトルを収載。国内外の500以上の大学、専門学校、病院、企業、研究機関などで採用。
Cakes/note(ピースオブケイク) 
cakesは、多様な作家の記事を毎週更新し、週150円から読めるコンテンツプラットフォーム。すでにcakes発のベストセラーも誕生している。一方でnoteは、個人が文書やイラスト、音声などを自由に投稿し、無料公開も売買できるソーシャルメディアプラットフォーム。投稿者が収益化や書籍化の事例も。今年6月には共同運営マガジン機能も提供開始。
電書バト(有限会社 佐藤漫画製作所)
「電子書籍はなぜ儲からないのか?」と既存の出版流通に疑問をとなえ、漫画家が自らの手で始めた電子取次。誰でも販売可能。楽天Koboで仕掛けたコミック11円セールによって、1ヶ月間で売上3億円と大きな話題に。

●スーパー・コンテンツ賞
ASCII倶楽部(KADOKAWA)
月額1000円で、週刊アスキー電子版の最新号&バックナンバーのほか、限定コンテンツを読み放題できるサイト。
東洋経済オンライン(東洋経済新報社)
ビジネスオンライン雑誌で最高の月間2億PVを誇る情報サイト。良質で長文のコンテンツを提供することで読者の支持を得て成長。検索エンジン対策、ニュースサイト連携なども積極的に取り組んでいる。
西尾維新デジタルプロジェクト(講談社)
人気作家・西尾維新の作品を連続してデジタル化するプロジェクト。「戯言シリーズ」のアニメプロジェクトと同時に発表。ごく限られた作品しか電子化されていなかった作家の作品を、一挙に30週以上にもわたって配信をするというファン垂涎の演出も巧み。
ハーストデジタルジャパン(ハースト婦人画報社)
 新しい雑誌コンセプトの開拓。独自に開発したCMS「MediaOS」を世界共通のプラットフォームとして使用。日本版『コスモポリタン』は、同社でも初のオンラインのみでスタートしたメディア。スタッフもIT企業でオンラインメディアの立ち上げやオンライン広告などに携わってきた白重編集長をはじめ、デジタル分野で活躍してきた人材が結集。
キングダム(集英社)
10巻無料キャンペーンに始まり、「春マン!!」「秋マン!!」やTwitterへのマンガ動画投稿など継続的な販促活動により、デジタル版だけでシリーズ累計520万部突破(紙版は2500万部)
honto+(honto)
hontoのオフィシャルマガジン。コルクが携わり、ロバート秋山を起用した「クリエーターズ・ファイル」が人気に。「本好きの人に楽しんでもらえる情報とは?」を模索したコンテンツ作りがポイント高。

●エクセレント・サービス賞
楽天マガジン(楽天)
月額380円(税抜)で、11ジャンルの雑誌約200誌が読み放題のサービス。1アカウントについて、デバイスを5台まで使用できる。雑誌名だけでなく、キーワードで記事や雑誌の検索も可能。今年8月に提供開始
本屋さんアプリ~本屋へGO!~(集英社)
「本屋さんアプリ」とBeaconを利用したO2O施策。第1弾は、約5,000の書店で展開される「ナツコミ2016」と連動する『真夏のマンガ全国統一検定』で、書店店頭でクイズを配布、回答者のうち上位成績者に商品を送るというもの。自社コンテンツの販売促進だけでなく、まずは本屋に足を運んでもらう、というのが狙いだ。
Kindle Unlimited(アマゾンジャパン)
月額980円(税込)で、書籍、コミック、雑誌を含む和書12万冊、洋書120万冊以上が読める定額読み放題サービス。スマホ、タブレット、PC、Macのほか、Kindle端末でも利用できる。今年8月にサービス開始。30日間の無料体験も。
comico(NHN comico)
2013年にサービスを開始した無料コミックアプリ。フルカラー、縦スクロールなどスマートデバイスに特化させているのが特徴。『ReLIFE』のようにこのサービスから紙で出版される作品も。台湾、韓国、タイ、中国でも展開。2016年6月にはこれらの国々を合算して2,000万DLを達成した。

めちゃコミック(アムタス)
スマートフォン、フィーチャーホンでコミックが読める電子コミックストア。130ポイント(1ポイント=1円)で読めるほか、無料で立ち読できるコミックも多数。20151月実績で月間利用者数500万人を記録。ラノベの配信も。
とらのあな電子書籍(虎の穴)
PC・スマホ・タブレットで購入と閲覧ができ、本と電子書籍をセットで購入することで値引きされる「セット販売」や、作品の「事前予約」を受け付けたりなどの独自サービスが特徴
医書.jp(医書ジェーピー)
医療従事者に、医学専門書籍・雑誌を電子出版物として、共通プラットフォームで個人、施設に配信。パートナー書店への注文でも電子コンテンツが利用が可能に。ネット上の注文も取引書店からの請求決済も選択できる。6月に配信を開始した

●チャレンジ・マインド賞
マグネット(コルク)
誰でも無料で漫画を配信できるWebサービス。固定レイアウトのEPUBがブラウザ上から簡単に作成でき、そのままシームレスにSNSでのプロモーションに繋げられる
conca(藤井正尚)
電子書籍、楽曲、ゲーム、写真のダウンロードカードを製作するサービス。コミケなどリアルな即売会の場でデジタルコンテンツの販売が可能となる。O2Oを具現化
ターゲットの友(旺文社)
大学受験用英単語集のロングセラー「英単語ターゲット」シリーズの学習応援アプリ。単語テストやリスニング機能を備え、紙の書籍と無料アプリを連動させた学習方法を提案。2014年4月のリリース以来50万人以上の高校生が活用し、相乗効果で書籍売上も伸びている
Manga ONE(小学館)
一定の範囲内(iOSでは話数制、Androidでは時間制)は無料で閲覧できる。それを消費したら「回復」を待つが、アプリ内課金やアイテム購入で早い「回復」も可能というゲーミフィケーションの要素を取り入れた無料マンガアプリ
気まぐれ人工知能プロジェクト作家ですのよ
(はこだて未来大学松原仁教授)
人工知能におもしろいショートショートを創作させることを目指すプロジェクト。2015年9月に4作を星新一賞の応募。2016年3月に2作が第一次審査をパスことが発表され、話題に
賢人降臨:零(クエリーアイ)
人工知能が書いた書籍。福沢諭吉「学問のすゝめ」と新渡戸稲造「自警録」の2冊を教科書として、ディープラーニング(深層学習)で自動的に学習。それを元に、「若者」「学問を修め立身」「世界を制する」「成功とは」「人とは何を示すもの」という、5つのお題に答える形で書かれた。ドコモの電子書籍サービス「dブック」にて800円(税別)で独占配信

●エキサイティング・ツール賞
超縦書、超画像(BPS)
WebKitを使った本格的EPUBビュアー(超縦書)とコミック向けの読書ビュアー(超画像)を提供する新興企業。W3CメンバーでEPUBビュアービジネスだけではなく、国際標準化活動も熱心に行っている
honto with(トゥ・デファクト/大日本印刷)
丸善・ジュンク堂の実店舗、オンライン書店、電子書店の本の串刺し検索のほか、来店時にアプリをチェックインさせるとhontoポイントが付与されるというO2O施策を評価したい
書籍制作支援クラウド Picassol(出版デジタル機構)
出版社での紙と電子の制作フローを効率化し、将来にわたって利用可能なコンテンツファイルの保持をめざす出版物編集支援クラウドサービス。EPUBでもPDFでもInDesignデータでもなく「XML」で保持する点を評価
TOPPAN Editorial Navi(凸版印刷)
ワンソース・マルチユースの書籍制作を実現したクラウドサービス。執筆・編集・校正・制作の工程をすべてをブラウザ上から1つのサービス内で行い、印刷用データとEPUBを同時に作成できる。