PDF

2015.09.25

PDFとは

PDF( Portable Document Format )とは、アドビシステムズが開発した文書フォーマット。特徴としては、OSやフォント等が異なる環境でも、データ作成時のレイアウトを保持したまま表示、印刷できることが挙げられる。フォント、画像、音声などを埋め込むこともできる。表示・印刷には、Adobe Reader はじめ、各種OSに対応した多くのソフトが無償で配布されている。データ仕様としては、従来アドビシステムズが無償で公開していたが、2008年には ISO 32000-1 として標準化され、2017年7月に新バージョンISO 32000-2 - Document management – Portable document format – Part 2:PDF 2.0 が公開されている。

 

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PDFの作成

PDFファイルは、アドビシステムズの Acrobat を使用して作成する以外にも、多くのソフトで対応しているため容易に作成できる。InDesign や Illustrator、Photoshop などのアドビシステムズのソフトはもちろん、QuarkXPress などのDTPソフト、Word、Excel 等の Office系ソフトなどもPDFで書き出しできる。MacOS では、OSレベルでPDF作成をサポートしている。また、ソフトウェアでの書き出し以外でも、スキャナの出力フォーマットなどにも使用されており、複合コピー機やスマートフォン/タブレットのアプリなどを利用してPDFファイルを作成もできる。

メリット・デメリット

レイアウトが保持されるという特徴から、保存、閲覧、印刷を目的とした場合に長所を活かせる場面が多い。印刷物の代替として利用する場合、閲覧時に有用なしおり(目次)やサムネイル、リンク、コメント・注釈、検索等の機能、セキュリティ(閲覧コントロール)機能を活用できる。また、印刷物制作の際の入稿用フォーマットとしても利用されており、特にCTP( Computer to Plate )においては、PDFを利用することでワークフローを効率化できる。
一方、テキストデータとしての再利用、加工・編集の自由度、各種デバイスでの閲覧時の最適化、Web上でのユーザビリティ等の点では優位性は高くない。また、デジタルデータであることから、コンピュータウイルスの媒介となる事例も発生している。

印刷用PDF

PDFは印刷の入稿データとしても利用されるが、商業ベースでの印刷用PDF規格として PDF/X がある。PDF/X には多数のファミリーがあるが、PDF/X-1a がもっとも普及しており、特徴としては、

・カラーがCMYKモードか特色
・フォントはすべて埋め込む
・透明効果はサポートされていないためすべて分割する
・画像はすべて実画像を埋め込む

などの点が挙げられる。
Acrobat はじめ、InDesign、QuarkXPress などのDTPソフトなどから書き出すことができる。

画像PDF

ページイメージを保ったまま印刷物をデジタル化する際に、イメージスキャナなどによりページを画像化したPDFを利用する場合も多い。TIFF、JPEG などで画像化する場合、ページ内に配置されたテキストデータを再利用することはできないが、PDFを利用することで、OCRソフトウェアで作成した透明テキストを重ねることもできる(ただし、テキストとレイアウトの意味的な対応付けは煩雑であり、再利用の効率性は高くはない)。
なお、この画像PDFは、固定レイアウトで制作される雑誌型電子書籍の入稿フォーマットとして用いられることもある。

配信用PDF

PDFは、編集・改変が(比較的)行われにくいこと、印刷物の配布に比べて低コストで済むことなどから、オンライン等でドキュメントを配信する際のフォーマットとしても用いられることも多い。特に「配信用」の規格が定められてはいないものの、配信用PDFを制作する際には、ファイルサイズを適切に調整することが望ましい。ファイルサイズの調整にあたっては、

・ファイルに埋め込まれる画像の圧縮、解像度の変更、減色
・フォント、線がオブジェクト等のベクターデータのラスタライズ

等の手法が考えられる。

[井野口 正之 特別個人会員 20150816]
[内容改訂 20220518]