CSS

2015.12.09

CSSとは

CSSとは、Cascading Style Sheetsの略で、HTMLやXMLで記述した文書の要素をどのように表現するか(装飾するか)を指示する仕様である。HTMLと同じく、W3C(World Wide Web Consortium)が策定をしており、2015年11月現在、CSS4と呼ばれるレベル(バージョンに相当する数値)の仕様が公開されている。

EPUB3では、CSS3の各種モジュールを利用して、電子書籍のデザイン指定が行えるようになっている。

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CSSの目的と歴史

CSSが開発され、公開された一番の目的は「文書構造と表示の分離」である。伝達したい情報を「構造」と「表示(表現)」で分離すれば、たとえば、制作の簡素化ができるほか、(閲覧する側の)状況が異なっても、伝えたい情報をきちんと伝えやすくなるといったメリットがある。

Webが開発された直後、1994年からCSSの開発が進められ、最初のバージョンにあたるCSS1の仕様が勧告されたのは1996年だった。しかし、理念は提唱されるものの、それを実現するWebブラウザが皆無であり、当時はHTMLの中に、文書・構造・表示を含めて記述するのが一般的だった。そして、インターネットの普及が進む中で、HTMLの中に文章と構造と表示のすべてが含まれるようになった結果、HTMLというファイル自体が肥大化し、情報の共有や互換性、運用・保守の観点で問題が出るようになった。

こうした背景の中、2001年以降にCSSを解釈できるWebブラウザが登場したことで、改めて「文書構造と表示の分離」という考え方がWebの世界に浸透し始めた。また、同じくして開発が進められ2004年に仕様が勧告されたCSS2.1の登場が、この流れをさらに加速した。

その後、文書構造と表示の分離の考え方の浸透とともに、WebページをHTMLとCSSに分離して制作するフローが定着し始めたのである。また、そのころからCMS(コンテンツマネジメントシステム)が普及し始めた結果、大量のページを含むWebサイトではCSSの利用が一般的となったこともターニングポイントと言えるだろう。

一方で、CSS3、4と新しいレベルが公開されると、表現力が豊かになった反面、つくり手による表現の差異が大きくなった。結果として、メンテナンスしづらいCSSが生まれたり、そもそも仕様通りではない勝手CSSが登場するといった問題点が顕在化してきている。

電子書籍とCSS

電子書籍におけるCSS、すなわちEPUB3とCSSの関係としてはとくにCSS3で策定された各種モジュールの存在が大きい。たとえば、CSS3のWriting Modesを利用して縦組みや縦中横といった表現を実現したり、Textモジュールによって禁則処理、圏点を表現する。また、CSS2では含まれていたWeb FontsがCSS2.1では一度仕様から外されている。しかし、CSS3で再び含まれたことは、電子書籍制作の観点から見て非常に大きいと言えるだろう。

先ほど、勝手CSSの登場について触れたが、電子書籍制作においても正しい記述を行うことは大切であり、epubcheckを利用することでCSSのバリデーションチェックが行える。

[馮 富久/株式会社技術評論社/20151209]