オンライン資料収集制度

2017.02.09

オンライン資料収集制度とは

 オンライン資料収集制度とは、国立国会図書館(以下、NDL)が2013年7月1日から、改正国立国会図書館法に基づき、私人が出版したオンライン資料を収集・保存する制度。eデポとも呼ぶ。

 オンライン資料とは、インターネット等で出版される電子情報で、図書または逐次刊行物に相当するもの(電子書籍、電子雑誌等)である。

 

もっと詳しく!

 NDLでは、2010年4月1日から「国立国会図書館インターネット資料収集保存事業」により、国等のインターネット資料の収集を実施しているが、電子書籍、電子雑誌等を文化財として蓄積し、将来にわたって利用できるよう、民間で出版された電子書籍、電子雑誌等についても、収集・保存を行うこととした。

 2012年6月22日、民間の出版するオンライン資料をNDLが収集し、保存することを可能とする国立国会図書館法の一部を改正する法律が公布、2013年年7月1日、同法が施行され、無償かつDRMのないオンライン資料の網羅的な収集を開始した。

 さらに、2022年5月17日、国立国会図書館法等の一部を改正する法律が成立し、有償又は DRM ありの民間のオンライ ン資料(電子書籍・電子雑誌)についても提供を義務付け、2023年5年1月から収集を開始することとなった。

 

収集と利用提供について

納入義務者

 納入義務者は、民間の出版社や出版者で、オンライン資料をインターネット等により広く公衆に利用可能とし、または送信した者。出版者と頒布者(電子書店等)が異なる場合は、原則として出版者(出版社等)である。

収集

 納入義務者が電子書籍、電子雑誌等をNDLに送信・送付する。または納入義務者の申し出により、NDLが自動収集。納入に通常要すべき費用をNDLが交付。

利用提供

 NDL施設内(東京本館、関西館、国際子ども図書館)に設置された端末で、NDLデジタルコレクションから閲覧する。同時閲覧制御(同一資料を同時に閲覧できる利用者を1名に限定)を行い、権利者から許諾を得た場合のみ、インターネットで公開する。複写サービスは、準備が整い次第、著作権法で認められる範囲内で行う予定。

 

納入義務の対象となる資料

 私人がインターネット等で出版した電子書籍、電子雑誌等のうち以下が対象。

・特定のコード(ISBN、ISSN、DOI)が付与されたもの
・特定のフォーマット(PDF、EPUB、DAISY)で作成されたもののいずれかであって、無償かつDRMのないもの
・同一内容が複数フォーマットで流通している場合は、代表的バージョンを優先的に収集。

 

納入義務の対象から除外される資料

 以下は納入義務対象から除外される。

・機密扱いのもの ・簡易なもの
・納本済みの出版物と同一版面である旨の申出を受け確認したもの
・長期間にわたり利用可能であり消去されないと認められるもの(いわゆる「リポジトリ」収録コンテンツ)等

 

・オンライン資料収集イメージオンライン資料の収集に関する国立国会図書館法の一部改正について|国立国会図書館―National Diet Library

[柳 明生 イースト株式会社 20170207]
[内容改訂 20220630]