Kinoppy

2017.02.09

Kinoppyとは

 Kinoppy(キノッピー)は、株式会社紀伊國屋書店が提供する無料電子書籍アプリケーションである。2011年5月にAndroid端末向けにリリースされ、その後iOS、Windows、Mac、ソニーReaderなどに対応デバイスを広げている。Kinoppyのキャッチコピーは「電子書籍に端末選択の自由を。」。マルチデバイス対応によるサービス提供に特に注力している。

 

もっと詳しく!

特徴

 Kinoppy は、“紙の本と電子書籍の両方を購入できる「ストア」、電子書籍を読むための「ビューア」、購入した電子書籍を本棚に好きなように整理できる「ライブラリ」という3つの機能を備える”と謳っている。

 アプリのリリースに先立つ2010年12月、紀伊國屋書店は電子書籍ストア「紀伊國屋書店BookWebPlus」を立ち上げた。ほかに、紙の書籍をネット販売する「BookWeb」、DVDやCDなどを扱う「ForestPlus」などのストアを展開していたが、現在はこの3つのストアを統合、名称を「紀伊國屋書店ウェブストア」と変え、ハイブリッド型書店としてサービスを提供している。このストアで電子書籍の検索・購入・ダウンロードを行えば、Kinoppyで閲覧できる。

 紀伊國屋書店は、KindleやKoboのような専用の電子書籍端末を開発・販売してはいない。サポートの必要な専用端末を持たず、マルチデバイス対応でのコンテンツ販売を重視している。

 また、Kinoppyとリアル店舗との連携も積極的に進めている。「紀伊國屋ポイント」はリアル書店でもBookWebPlusでも共通して利用可能である(ただしKinoppy for iOSでは使えない)。また、リアル店舗に置かれた紙書籍の検索端末「キノナビ」で、在庫切れや絶版の本のバーコードをプリントアウトし、Kinoppyで読み込めば電子版を注文できるといった仕様も備えている。ストア内の本棚機能「あなたの本棚」では、ストアで購入した電子書籍と紙の本が同時に表示され一括管理が可能である(Kinoppy内の本棚「メイン本棚」「スマート本棚」では、電子書籍のみ表示される)。

 2015年10月からは、ウェブストアの海外会員向けにもサービスを開始。出版社から海外販売の許諾が得られたものを販売している。

 

Kinoppy for iOS

「紀伊國屋書店Kinoppy for iOS」には、iOS向け電子書籍アプリには珍しくストア機能が実装されている。これは、手数料をApple社に支払い、アプリ内での決済ができるようにしているためである。手数料分はコンテンツの価格に上乗せされているため、Kinoppy for iOSのアプリ内で電子書籍を購入した場合と、ブラウザを開いてウェブストアで同じ商品を購入した場合とで価格が異なる。

 出版社によってはこの二重価格を回避するために、iOS版での販売を許諾しない例もある。そうしたコンテンツはKinoppy for iOSでの検索・購入はできない仕様になっており、ブラウザのウェブストアもしくはPCやAndroid版から購入することになる。

 

参考URL

Kinoppy http://k-kinoppy.jp/

[松本千晶 株式会社研究社 20170201]