OPAC

2017.05.11

OPACとは

 OPAC(Online Public Access Catalog)とは、図書館や資料館などの利用者が使えるように整備された、オンライン蔵書目録検索システムのこと。OPACは「オーパック」または「オパック」と読む。図書館資料の書誌情報や所蔵情報を電子化し、コンピュータ上で検索できるようにしたものを言う。かつてはインターネットで館外からも検索可能なものを「ウェブOPAC」と呼んで区別していたが、最近ではウェブで利用できるものが主流となり、OPACといえばそちらを指す場合が多くなった。

 

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歴史

 コンピュータの普及以前には、多くの蔵書の書誌情報や所在情報は紙の目録カードに記載され、カードボックスなどに整理・保管されたものを図書館員および来館者が利用していた。これらの目録カードをデータベースとして機械可読形式(MARCフォーマット)に変えて蓄積し、検索できるように整備したものが初期のOPACである。

 1960年代後半、アメリカでは議会図書館を中心にMARC(MAchine-Readable Cataloging)の研究と整備が進められ、1970年代からOPACの利用が始まった。80年代には、キーワード検索や部分一致検索などが可能になり、情報検索システムとしてのOPAC利用が普及。90年代になると、コンピュータ技術の急速な発達によって、図書館員だけに限られない一般利用者によるウェブOPACの使用が加速した。

 日本では、電算技術による日本語の処理が可能になるまでに時間がかかったことから、1980年代後半になってから国立国会図書館や学術情報センター(現在の国立情報学研究所)によりOPACの開発・利用が始まった。90年代後半以降、大学図書館や大規模公共図書館から導入が進み、2010年の調査では日本国内のほとんどの大学、公共図書館で使用されている。

特徴と今後

 OPACは、さまざまな検索手段を備えることができる点で、(書名、著者名、件名などの)単一要素での配列で書誌探索に供するカード目録方式とは利用の便利さが大きく異なる。また、カード目録は館内に多大なスペースを必要とするが、オンライン目録はその問題を解決した。

 1990~2000年代はじめの検索方式は、タイトルや著者名、出版者名、刊行年月など書誌事項それぞれに検索ボックスが設けられ、検索対象を絞った仕様のものが主流だった。現在のOPACは、単一の検索ボックスにキーワードを入力させ、書誌情報を一括して検索の対象とする総合検索方式がほとんどである。GoogleやYahoo! といった検索エンジンに近い印象を与えるもので、2010年頃までは「次世代OPAC」あるいは「ディスカバリー・インタフェース」などと呼ばれていた。特に大学図書館においては、雑誌や論文単位での検索、他大学のOPACや商用データベース、学術情報リポジトリを含めたコンテンツを一括して検索できる仕様のものが多い。

 一般の図書館利用者によるOPACの利用が進んだことで、検索方式に加え表示形式にも見やすさを重視した方法が採られるようになってきている。検索結果の一覧画面や本文画面に、一部資料の書影(表紙画像)表示やスニペット表示(書籍本文中の検索語周辺の文章を数行程度抽出して表示する)を導入したり、文献検索サイトや書店サイトといった外部データベースへのリンクが貼られるなど、資料にアクセスしやすいインターフェースが広がっている。

 2010年頃から、複数のOPACを一括で横断検索して各館の所蔵情報や利用状況が把握できるようになり、図書館同士の相互利用の広がりに寄与している。日本で最大の図書館横断検索サービス「カーリル」は国内6000以上の図書館の蔵書状況が検索でき、公立、大学図書館の区別を超えて連携が進む。大学図書館間や地域の公共図書館、自治体同士の相互貸借(ILL: InterLibrary Loan)や文献複写について、OPACを通してサービスの申し込みができるシステムも普及している。

[松本千晶 株式会社研究社 20170508]