電話の変貌

2000.07.01

日外アソシエーツ  大塚 祥夫

 私事ながら、先日ファックス付きの電話を購入しました。毎年買い換えるものでは ないし、せっかくだからという思いや欲も出て、機能テンコ盛りの機械を選びました。 それはそれで良かったと思っていますが、お目当てのファックス機能の設定から始め 留守電機能や着メロの設定まで、半日くらいの間、取り扱い説明書を読んでは種々の 設定を試すことの繰り返しをしました。半日も費やしたのだから、全ての機能を習得 できたかというとさにあらず、いまだにスキャナの機能を使いこなせないでいます。 電話の側には常に取り扱い説明書という状況がしばらく続くようです。
 「ワトソン君ちょっと」から始まった電話は、私の知らない間に随分と変貌を遂げ、 操作パネル前面には当然のようにe-mailと書かれたボタンが鎮座しています。早速、 説明書を繰ると、電話会社に登録する必要があるもののe-mailが利用できるとの旨、 説明されていました。漢字は利用できずカナでの送信に限定されているようだけれど、 チョットした用件ならば充分間に合うでしょう。
 カナでの送信で思い出しましたが、しばらく前から、通勤電車の中で携帯を取り出し てはじっと電話を見つめている人を見かけるようになりました。初めは理由がわからな かったので背筋がぞっとしたものです。その後、携帯電話でe-mailが出来る事を知った ので慣れるようにはなりましたが、親指が変形してしまうのではと思うくらいの速さで ブラインドタッチ(?)する姿には今でも違和感を覚えるものです。
 従来の電話機は肉声での通話だけでしたが、今やe-mailを送受信する機械として変貌 を遂げ、ますますPDAに近づいていくように感じます。こうなると会社だけで見ていた e-mailも転送の設定をすることにより携帯電話でいつでも見ることができます。ます ます仕事とプライベートの時間的な区切りがつきにくくなってきたようです。
 ともかく、多くの人が関心を持っている分野には必ずビジネスチャンスがあると確信 して、CD-ROM辞書にこだわらない新しい形の商品を開発していこうと思っております。
 この7月の人事異動で営業から商品開発の部署へと移ることになりました。そうなっ たから言うわけでもありませんが、セミナーとは別にJEPAに参加している会員社同士が 自由に話し合える機会を設けていただければと思っています。各会員社で電子出版に 携わっているもの同士が話し合いの機会を得れば、その中から相互に協力できることも 生まれるでしょうし、おもしろい商品ができるかもしれません。ヒントは様々に隠され ているはずです。以前あった飯田橋クラブのようなものが実現する一つの形のような 気がしています。