電子出版小技集 006

DOS窓でファイルの一覧表 1

コマンドプロンプト\ファイルの一覧表\dir\中級

 データの受け渡しは電子出版の仕事をしていれば日常的に発生しますね。受け渡すファイルが1本だけなら間違いは発生しませんが、いろいろな種類の複数のファイルを渡すとなると説明書が必要です。

 説明書はファイル名とその意味を一覧にしたものが良いでしょう。でもファイル名をいちいち入力するのは大変ですね。ファイルの受け渡しだけはありません。作業のメモを作ったり、画像ファイルの一覧表を作ったりとファイルの一覧はよく必要となります。


 フリーウェアやシェアウェアでファイル名の一覧を作るツールがいろいろ出ています*1。とりあえずはこれを利用するのが簡単ですが、今回は余計なツールなしでファイル一覧を作る小技です。


 この方法は俗に「Dos窓」と呼ばれるWindows標準の仕掛けを使います。正確にはWindows MEまでは「MS-DOSプロンプト」、Windows2000以降は「コマンドプロンプト」と呼ばれるプログラムを利用します。[スタートメニュー]-[プログラム]-[アクセサリー]にある上記のアイコンを起動すると黒地のウィンドウが開きます。これ懐かしのMS-DOSが動くんです。正確にいうとMS-DOSではありませんが、MS-DOSと同じコマンドが使えます。

 昔はPCを動かすにはこれしかなかったんですが今はMS-DOSのコマンドなんか知らないよという人がほとんどですね。DOSのコマンド講座を開始したらそれだけで1冊分のマニュアルになってしまいますので必要なことだけ書きます。


 開いたDos窓の最後の行を見て下さい。たぶんこんな風になっています。

C:\WINDOWS>_

 “C:\WINDOWS>”はコマンドプロンプトが現在いるフォルダを示します。“C:\WINDOWS>”ならCドライブのWINDOWSフォルダにいることになります*2。_と書いた部分は点滅しています。この部分にキーボートからコマンド文字を入力してリターンキーを押すと、いろいろなプログラムが動く仕掛けです。

 このコマンドプロンプトの現在位置をカレントディレクトリといいます。ファイル・リストが欲しいフォルダまでこのカレントディレクトリを移動します。

 カレントディレクトリの移動法については付録の「カレント・ディレクトリの移動法 基本編」をご覧ください。ここでは仮に C:\test1 というフォルダに移動します。以下のように入力してリターンキーを押します。

C:\>cd C:\test1

 プロンプトが C:\test1 に変わったらいよいよファイル一覧を出力するコマンドdirの出番です。キーボートから“dir”と入力しリターンキーを押します。

C:\test1>dir_

 すると下のようにそのフォルダのファイル一覧が表示されます。

C:\test1>dir
 ドライブ C のボリューム ラベルがありません。
 ボリューム シリアル番号は 1CE4-2843 です

 C:\test1 のディレクトリ

2002/08/22  18:38    <DIR>          .
2002/08/22  18:38    <DIR>          ..
2002/08/22  18:38    <DIR>          html
2002/08/22  16:50               727 memo.txt
2002/08/22  18:38    <DIR>          tag
2002/08/22  16:57               528 test.dat
2002/08/22  18:38    <DIR>          work
2002/08/21  11:35             2,571 材料1.txt
2002/07/03  18:15               273 材料2.tag
               4 個のファイル               4,099 バイト
               5 個のディレクトリ  30,192,820,224 バイトの空き領域

 更新時刻、ファイルの種別、ファイル容量、ファイル名が一覧になってますね*3。ファイルの種別欄で<DIR>となっているのはディレクトリつまりフォルダであることを示します。ファイル容量はbyte単位です。


 特定の拡張子だけを表示させるにはワイルドカードを使います。

D:\test\>dir *.txt

とすれば、下のように拡張子txtのファイルだけが表示されます。

 C:\test1 のディレクトリ

2002/08/22  16:50               727 memo.txt
2002/08/21  11:35             2,571 材料1.txt
               2 個のファイル               3,298 バイト
               0 個のディレクトリ  30,192,820,224 バイトの空き領域

 ファイル名をABC順に並べ替えたい時は

D:\test\>dir /ON

サイズ順に並べ替えたい時は

D:\test\>dir /OS

です。その他のいろいろオプションがあります。調べたい時は

D:\test\>dir /?

でdirコマンドの簡単なマニュアルが示されますのでいろいろ試してみてください。


 さてこの一覧を画面で見るだけではあまり意味がありません。この出力をテキスト・ファイルにしましょう。次のようにします。(ここではファイルの名前を仮にtest.txtとします)

C:\>dir > test.txt

 上のように入力しても画面には何も表示されません。その代わりそのフォルダ内にtest.txtという名前のテキスト・ファイルが作成されています。テキスト・エディタでtest.txtを見てみると画面に出力されていた内容がテキスト・ファイルになっていることが分かります。(このように“>”を使ってファイルを作成することをリダイレクトと呼びます)

 という簡単な手順でファイルの一覧が手に入りました。後は内容を好きなようにエディタで加工するだけです。


*1

Vector( http://www.vector.co.jp )なら Windows > ユーティリティ > ファイル管理 > ファイル一覧 にいろいろあります

*2

このデフォルトの位置はWindowsのバージョンによって異なります。

*3

この結果はWindowsXPのもので98やMEでは少し異なっていて、DOS用の8文字.3文字形式のファイル名も示されます。

なお“.”は自分自身のディレクトリ、“..”は親ディレクトリを表しています。



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