2019年4月11日 Nat McCully氏、W3C下農氏:日本語組版の過去、現在、未来

2019.04.10

Adobe本社勤務で日本語組版に造詣が深いNat McCully氏と、慶應W3Cで日本語処理を担当されている下農淳司氏に日本語組版の歴史と現在のブラウザ上での組版状況、そして将来について説明していただきました。

■DTPからWebレイアウトに至る高級文字組機能(日本語講演) 【⇒プレゼン資料】
1)余白の制御とバランス、グラフィックデザインの陰と陽
2)InDesignの開発を振り返って、欧文組版ツールを日本語組版にも使えるように
3)現在も日本語組版をちゃんとサポートするには苦労が必要:CSSやモバイルのAPIの課題
・Nat McCully氏略歴
 1988年 文部省留学生として早稲田大学日本語教育センターに留学
 1991年 シカゴ大学で日本美術史を専攻し卒業
     クラリスに入社し日本語QAを始め、日本語版製品の開発に携わる
 1998年 Adobeに入社しInDesign日本語組版エンジンの開発を担当
 2011年 Adobeシアトルオフィスにて、Creative Cloud製品を担当

■Webレイアウトでの日本語表現の実現に向けて 【⇒プレゼン資料】
 W3Cではすべての人のためのウェブという目標の一つである国際化において、さまざまな言語の組版・表現をWebレイアウトで実現するために活動しています。日本語組版要件タスクフォース(JLREQ TF)は、組版・表現に関する要求のとりまとめや、現在のブラウザ上での組版状況で実現されていない要件の抽出など、仕様やブラウザ実装で満足されない点などを仕様策定者が参照可能な形で提示し、よりよい表現を可能にする活動を行っています。これらの歴史、現状と今後についてご紹介します。
・下農淳司氏略歴
 2005年~ Mozilla日本語翻訳グループ、developer.mozilla.org(現MDN)グローバル企画グループ (~2010年頃)
 2011年 東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構
 2018年 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任講師 W3C/慶應

◇開催概要
日時:2019年4月11日(木) 15:00-17:30
料金:JEPA会員社:無料、非会員社:3000円
会場:麹町/紀尾井町:株式会社パピレス 4階セミナールーム
主催:日本電子出版協会(JEPA)
参加:112名