2025年6月10日 50万語を編む ――用例主義が支える『日本国語大辞典』とその歴史

2025.06.05

昨年7月の『日本国語大辞典』第三版改訂発表は、おかげさまで好評をもって迎えられたと感じています。
この辞書には前身として明治・大正時代に松井簡治が編んだ『大日本国語辞典』があり、さらに昭和、平成の両時代に小学館と松井栄一が『日本国語大辞典』(初版)と『同 第二版』を作り上げ、おおむね20~30年おきに改訂が続いてきました。第三版はその約110年の蓄積と、その中で培われた「用例主義」を受け継ぐという使命があります。一方で第二版刊行とほぼ時を同じくして21世紀にいたり、辞書の世界も新しい情報技術によって大きく進化しましたが、その波にも乗らなければなりません。いま私たち小学館辞書編集室では、旧さと新しさと狭間でどのように第三版の有り様を定めるべきか、日々検討を重ねています。
今回は現状日本最大の国語辞典である『日本国語大辞典』の歴史と、第三版改訂の構想の一端をご紹介しました。
※URL https://www.shogakukan.co.jp/pr/nikkoku3/

講演資料 日国3_JEPAセミナー資料250610
講演映像 https://youtube.com/live/fFvhEhcHauM

■講師
佐藤宏(さとう ひろし)氏
1953年、宮城県生まれ。小学館に入社後、尚学図書の国語教科書編集部を経て辞書編集部に移り、『現代国語例解辞典』『現代漢語例解辞典』などを手がける。1990年から日本国語大辞典の改訂作業に専念。『日本国語大辞典 第二版』の編集長。元小学館取締役。
坂倉基(さかくら もとい)氏
小学館辞書編集室在籍。生まれ育ちは東海地方。メディアワークスに入社後、角川学芸出版に転籍して辞書編集の道に(両社とも現在はKADOKAWA)。『角川新字源 改訂新版』などを担当。2021年に小学館に移り、2023年に『日本国語大辞典 第三版』改訂を企画立案。

■ 開催概要
日時:2025年6月10日(火)16時~17時半
料金:どなたでも無料
会場:オンライン YouTube Live(定員ナシ)またはZoom(100名)
主催:日本電子出版協会(JEPA)