電子出版のデスクトップ21

インターネット海外旅行術


 先日所用があり電子出版関係者4人とヨーロッパを旅行した。成田から延々と飛行機に乗り、ようやくホテル到着。一緒に食事をと30分後にロビーで集合した。その後食事をしながら大笑い。集合までの30分、全員が部屋からインターネット接続にトライしていたのだ。
 全員、仕事にしめるメイルの比重は大きい。どんな遠くに行っても。いや、遠くに行けば行くほど電子メイルに頼る部分が大きくなってくる。
 アメリカのホテルではインターネット接続のためのモジュラージャックが各部屋に備え付けられていると聞くが、ヨーロッパのホテルでは見かけたことがない(高級ホテルの事情は残念ながら知らない)。それでも最近はホテルの電話からインターネットにつなげるよい装置が売られていて、ほとんど間違いなく接続できるようになった。
 海外に出るとどうしても日程が長くなる。メイルがつながっていると仕事上はたいへん便利だ。電話では時差の問題があり、どちらかが真夜中の連絡ということも生じるが、メイルなら時間差攻撃が可能だから1日単位のコミュニケーションなら通常と変らない。
                *
 さて仕事が終り後半は数日間の自由旅行を楽しんだ。とはいえズボラな性格ゆえ何の準備もしていない。ここでもインターネットが大活躍した。
 ヨーロッパの主要国の鉄道時刻表はすべてインターネットで検索できる。出発駅、到着駅、日時を入れれば目的の列車が即座に現れる。直通はもとより2〜3回の乗り換えでも検索可。国内ばかりではなく国外への列車も瞬時に、経路と細かいタイムテーブル付きで検索してくれる。ドイツ鉄道ではネットで座席予約も切符の購入も可能と至れり尽せりである。
 もちろん駅に出向き窓口で調べてもらうことも出来るが、たいてい窓口は大行列。私の語学力ではきっちり下調べをしてないと用が足りない。ネットならじっくりと検討することが可能だ(電話代とローミング代金は少々気になるが)。
 足が確保できたら次はホテル。国際的ホテル予約システムはインターネットの中では古株である。最近では各都市のサイトに独自のホテルリストがあることも多い。この場合は既成のホテル予約システムより多くのホテル情報が手に入る。これまた、自分の氏名と到着日、出発日、シングルかツインかなどを記入するだけ。瞬時に予約が可能になる。本来は予約済のページをプリントアウトしてフロントへ持っていくのだが、旅先ゆえプリンタはない。しかたないのでホテルのフロントでノートパソコンを開け画面を示すはめになった。
 そんなことはあったが、ホテルの電話からインターネットにつなげて数日間の旅行を即席で無事楽しんで来れた。ネットの威力はすばらしい。
 将来的には携帯電話も国際的に使えるようになるそうである。そうなれば国内でのモバイルと同じ気安さでインターネットと接続出来る。iモードのようなサービスを海外で利用することもできるようになるだろう。
 ネット経由で日本語の旅行ガイドを見ながら町歩きを楽しむとか、道に迷っても「今どこサービス」で帰り方を教えてくれるようになるのかも知れない。こいつは画期的ではないか。
 もっともいい事ばかりではないだろう。以前なら海外へ行ってしまえば音信不通。原稿の締め切りも海外までは追いかけてこなかった。美しい風景を愛でていると突然携帯が鳴り響き仕事の電話が入ってくる。そんな場面だけは願い下げにしたいものだ。(日頃の精進が大切ですねぇ!)

*主な欧州各国の鉄道予約システム
 Die Bahn - Homepage ドイツ
 Trenitalia イタリア
 www.sncf.com フランス
 Welcome to UK RAILWAYS イギリス
*ホテル予約システムとしては Hotel Reservation Service (HRS) などが有名だが、各都市のページから調べると小さなホテルも網羅されていて楽しい。
『情報管理』Vol.43 No.10 Jan. 2001 より転載

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