JEPAキーパーソンズ・メッセージ!
(株)電子出版情報センター 代表取締役
秋葉原へ少年時代から半世紀も通っている。以前はアンプやスピーカシステムの製作 で、最近はパソコンの組み立てである。駅周辺の数多くのオーディオショップ、パソ コンショップ、パーツ屋、ジャンク屋の開廃業を見ながら、何かとお世話になって きた。 実は昨年の初めに、JEPAニュースに載った佐藤理事(アスキー)の文章に触発され て自家用パソコンの製作に取り掛かったのはいいが、SCSI方式のHDDとCD-ROMドライブ を選んだ結果、Config.sysとAutoexec.batの記述やドライバーのインストールにひど く苦しんだものだ。それにしても昨今のパーツの廉くなったことといったら…、など という話が今回のテーマではない。 一昨年5月の飯田橋クラブで紹介があった「江戸東京古地図散歩(ポニーキャニオ ン刊)」のCD-ROMを再見したことから、江戸の切絵図への興味をもつようになった。 秋葉原が秋葉ノ原あるいは秋葉ガ原と呼ばれたからには「原っぱ」があった筈だ、ど こにあったのだろうと思って、「嘉永・慶応江戸切絵図(人文社刊)」や安政江戸図 に現代東京図を重ね合せた「復元江戸情報地図(朝日新聞社刊)」を精読して確認に 努めたが、幕末期の絵図には見出すことができなかった。それでもいくつか面白い発 見があったので、お伝えしたいと思う。 JR秋葉原駅の敷地は、当時の神田佐久間町一丁目、神田柳屋敷、柳原大門町、神田 八軒町東叡山領代地、神田六軒町同、神田相生町同からなっている。駅前は秋葉原デ パートのあたりが牛込肴町代地、ラジオストア・ラジオデパートは神田仲町一丁目に あたる。日本通運の東側、ラオックスパソコン館の一部を含む一帯は、南北50m東西 100mほどの空き地だったが、これがその昔の秋葉ガ原の姿かどうかは不明である。 この広場の東北方から北へ下谷御成街道が通じ、現在の上野松坂屋南側のクランク道 を経て下谷広小路(現上野広小路)にいたる形は、大筋では現代と変わらない。 途中のパソコンショップが集中している外神田三丁目あたりは、当時の神田旅籠町、 神田金澤町、神田仲町で、南に行けば神田川にぶつかる。現在の万世橋から約100m上 流(昌平橋寄り)に筋違橋が掛かっていて、渡ると交通博物館(旧JR万世橋駅跡)の 場所に筋違橋御門があった。門前は左右200m奥行50mほどの広場であり、正面に丹後 篠山藩・青山下野守(6万石)の、右隣に若狭小浜藩・酒井修理大夫(10万3千5百 石余)の上屋敷、左側は須田町通りから鍛冶町、今川橋、本石町を経て、室町3丁目 で浅草橋からきた奥州道中と合流し日本橋北詰へいたる道である。 ところで、JEPA事務局が飯田橋にあったころ、牛込御門近くの日本歯科大学病院 の入口に「下馬」と刻まれた小碑があり、説明に明治以前ここは富永氏という旗本 屋敷でその碑を保存したもの、とあったと記憶している。JEPAが賃借していたオービ ットビルは、勘定奉行・石河土佐守の屋敷(後に平岡石見守)の一部だった。 現事務局のある駿河台を東西に走る「トチの木通り」は当時大袋町、「カエデ通り」 は東から鈴木町、小袋町と呼ばれていた。その合流点から水道橋方面へ下る皀角 (さいかち)坂の途中のJR線路壁に、神田川の上を懸樋で渡した上水道跡の説明プレ ートが掛かっている。坂の上の東京デザイナー学院は旗本・鈴木長八郎の屋敷、わが 駿河台サンライズビルは竹内氏の(後に坪内氏)、お向いの主婦の友文化センターは 御小姓組・内藤右近の(後に斎藤左源太)、隣のアテネフランセは旗本・堀金之助の それぞれ屋敷地であった。 紙数が尽きたので、これにて御免。
JEPA専務理事・事務局長
石橋 俊之![]()
ワンポイント調査報告
【日 本】
書籍は同7.4%減、雑誌が同10.2%減。雑誌は月刊誌が同11.1%減、週刊誌が同7.4%減。 1〜5月累計の雑誌合計は同5.1%減。当月返品率は書籍が0.8ポイン改善の42.2%、 5カ月連続で前年同月比を下回っている。逆に雑誌は0.8ポイント増の31.0%、 3カ月連続で同比を上回っている。 ((社)全国出版協会 出版科学研究所発行 出版月報1999年6月号)
書籍・雑誌推定販売額 99年5月期 前年同月比 9.1%大幅減
11月から全国20カ所の書店やコンビニに配信、販売する。消費者は販売端末から 希望するデータを専用の記憶媒体に取り込み、新書判より多少大きなサイズで携帯 できる専用読書端末で読む。200ページ前後の本3、4冊分を取り込め、データの 料金は実際の書籍の三分の二程度に抑える計画。 (99.6.26 日本経済新聞)
電子書籍コンソーシアム 小説や漫画5,000タイトルを衛星を使って配信実験
約120万品目を揃え、集荷の一部から在庫管理、配送までを日通が請け負う。先行 している他の書店は集荷を出版取次に依存しているが、文教堂は「ジェイブック」 専用のセンターに在庫スペースを持つ。最短だと注文の翌日には商品が届く。 (99.7.6 日本経済新聞)
文教堂と日通 書籍・音楽CDのネット通販で提携 サービス名は「ジェイブック」
「ブックウェブ」 は96年10月にスタート、和書130万件、洋書200万件を揃え、 会員数は7月上旬には10万人を突破する見通し。会員登録もネット上で瞬時にでき るようになる。 ((社)全国出版協会 出版科学研究所発行 出版月報1999年6月号)
紀伊國屋書店 書籍のネット通販強化 検索の利便性高め、情報更新を速める
米国法人を設立し、現地カード会社と提携してドル建て決済をすることで、税金・ 手数料を大幅に削減できる見通しがたった。事前引落しシステムにより受領印を 必要としない「メール便」の利用で流通費を160円に圧縮した。 (99.6.24 新文化)
システムYAMATO 世界ではじめて1冊でも送料無料で本をネット通販 10月末から
電子化して管理する新会社「ブッキング」を複数出版社と共同で設立、注文は書店 かインターネットで受け、日販内で印刷・製本する。初年度は2,000点、5年後は 30,000点を揃える。配達先も書店か自宅かを選択できる。 (99.7.2 日経産業新聞)
日本出版販売 絶版本を電子化 1冊の注文から印刷・配送する 9月から
10日要している重版を3日に短縮でき、重版の最小部数(5,000部)を大幅に引き 下げる。 出荷体制も「ジャンル別」から「書店別」に変更、取次の作業を軽減し、店着まで の時間を短縮する。サプライチェーンマネジメントの実現を目指す。 (99.7.9 日本経済新聞)
角川書店 埼玉に新物流センターを新設 印刷・製本・物流が一体に 2001年をメド
コンピュータ関連出版社11社で組織名称は「コンピュータ出版販売研究機構(CPU)」、 新たな局面を迎えたコンピュータ時代の市場や出版流通の開発に対応していく。 (99.6.24 新文化)
コン販研を発展的解消 新組織「CPU」設立
総付景品の上限を購入価格の3%から5%に引き上げ、景品を付ける期間制限を 年1回・連続30日以内から年間2回・60日以内に緩和する。 ((社)全国出版協会 出版科学研究所発行 出版月報1999年6月号)
景品規約見直し案まとまる 2002年3月31日まで
96年から連続の減少傾向を継続する結果となった。 (99.7.1 新文化)
書店の支店出店を含む新規出店状況 99年上半期 前年同期比 32店減の314店
(99.6.29 日本経済新聞)
日本製紙 全パルプ工場で塩素使用を中止 2005年メド 有害物質発生に懸念
「次世代ネットワーク構想に関する懇談会」では、インターネットの普及を促進 させるため、月額5,000〜6,000円の定額制料金を全国に段階的に導入することを 念頭に置き、アクセス回線における通信事業者間の競争を促進させる施策も必要だ としている。 → http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/new/990622j601.html (99.6.24 Internet Watch)
郵政省の懇談会が報告書 ネット接続 料金定額制の実現を
「定額料金制サービス」の実験は東京、大阪の一部地域で、月50時間以上使う利用 者にメリットが出る。価格は下げる姿勢で臨む。 (99.7.2 日経産業新聞)
NTT ネットに定額料金制 年内に月額1万円程度の試験サービス ISDNのみ
ブラウザ上で動画像、静止画像、音声、テキストなど複数のマルチメディア情報を 簡単に統一的に表示できる。 (99.6.30 日経産業新聞)
郵政省通信総合研究所と松下通信工業 ネットの新記述言語「HMML」開発
電子認証はネット取引に使われた電子署名が取引相手のものであることを確認する 「ネットの印鑑登録証明書」。企業が独自に実施している電子認証に法的な資格を 与え、トラブル防止と利用者保護の仕組みを確立する。 (99.6.23 日本経済新聞)
郵政省 電子認証機関に資格認定制度を導入 電子商取引の普及を目指す
外貨建ての電子マネーの価値がネットに流れる実験は初めて。1,000人程度の利用 を想定。外貨決済のノウハウを開発する。 (99.6.23 日経産業新聞)
サイバービジネス協議会 ドル建て決済の実験開始 ネット上に両替店を開設
自宅からの利用者数の伸び率が前年度105.6%から151.5%と大幅に伸長。勤務先/ 学校からの利用者数の伸び率は、68.7%から15.6%へと鈍化しており、家庭からの ネット利用者数が、勤務先/学校からの利用者を上回る結果となった。 「インターネット白書'99」→ http://www.impress.co.jp/release/19990622.html (99.6.23 Internet Watch)
ネット人口 1,508万4,600人 世帯普及率は12.89%、99年末に1,845万人へ
地上波デジタル放送を導入すると移行期間中、並行して流すアナログ放送に影響が 出ることが明らかになった。 (99.6.29 日本経済新聞)
郵政省 地上波デジタル放送の開始時期を1年半先送り 見直しへ
年間40%以上の成長を続け2003年には1,000万台近くに達する。 個別には、シャープが3割近く落ち込み急落、カシオは3倍近く伸び急成長。 IDC Japan調査 → http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/990628/shd.htm (99.6.29 PC Watch)
携帯情報端末出荷台数 98年 前年比24.3%増の142万台
金額は同56%増の516億円、カメラ市場のシェアは2割を突破した。輸出も合わせ た出荷台数は同36%増の318万台。金額は同78%増の1,489億円。 日本電子工業振興協会調査 (99.6.15 日本経済新聞)
デジタルカメラ出荷台数 98年度 前年度比7%増の118万9,000台
【世 界】
この規格は「Electronic Commerce Modeling Language(ECML)」で、利用者の住所 などオンラインショッピングに必要な項目の記入方法を定めたもの。現在は、特に その店で初めて買い物をする場合に多項目の入力が必要で、この手間がオンライン ビジネスの売り上げを落とす原因の一つとも言われている。 → http://www.ecml.org/finalpressrelease.html (99.6.16 Internet Watch)
AOL、IBM、Microsoftなど12社 オンラインショッピングの規格「ECML」で合意
(99.6.26 日本経済新聞)
「Java」標準規格に 欧州の規格審査機関「ECMA」が年内にも採用 普及に弾みが
98年末時点でのネット人口は1億5,000万人。2000年には3億1,800万人、2005年には 7億2,000万人に増える見通し。 米コンピュータ・インダストリー・アルマナック調査 → http://www.c-I-a.com/ (Computer Industry Almanac) (99.7.9 Internet Watch)
ネット人口 2000年 3億1,800万人へ
ストリーム番組を視聴中に広告主の情報にアクセスしている視聴者は6割、Webコン テンツにアクセスしている視聴者は7割に達した。さらに、視聴者の49%がWeb広告 の商品をネット上で購入し、44%がWeb上の広告バナーをクリックしている。 米Arbitron NewMediaとNorthstar Interactive調査 (99.7.1 Internet Watch)
ストリームは広告に有効
(99.6.23 日本経済新聞)
アジアのパソコン出荷 99年1月〜3月期 前年同期比24%増 急回復
【米 国】
売上高は61億7,000万ドル、97年の売上伸び率は14% 以下は各社の売上高(単位100万ドル) バーンズ&ノーブル 3,005.6 前年比107.4% ボーダーズグループ 2,595.0 前年比114.5% ブックスAミリオン 347.9 前年比107.1% クラウンブックス 225.0 前年比 75.6% ((社)全国出版協会 出版科学研究所発行 出版月報1999年6月号)
4大ブックストアチェーンの売上伸び率 98年 前年比約8.6%増 過去6年で最低
エネルギー産業(約2,200億ドル)を抜き、自動車産業(約3,500億ドル)に迫る 規模。 テキサス大学、シスコ・システムズ調査 (99.6.11 日本経済新聞)
ネット産業急成長 98年 売上高3,000憶ドル 年率174.5%で拡大
1年前の41%増になる。実際に商品をオンラインで購入する数は98年から72%増、 金融などの商取引は60%増。 米InfoBeads調査 → http://www.infobeads.com/INSIDER/PAGES/TOPICS/PRESS_RELEASES/0614b99/Default.asp (99.6.14 Internet Watch)
インターネットにつながったPCの55%にあたる3,700万台以上がECに利用される
広告、プロモーションの手段として最も利用されているのは、イエローページが 37.2%、続いて、新聞広告が18.7%、Web広告が17.2%となってり、Web広告がDMの 15.5%を上回った。 Kelsey Group調査 → http://www.kelseygroup.com/pr990621.htm (99.6.29 Internet Watch)
ロス、ニューヨーク、シカゴなど14地域市場において「Web広告」はDMより上
IDC予測 (99.6.25 日経産業新聞)
ウエアラブル・コンピュータ市場 2003年までに6億ドル規模に
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【連載】「キーワード設定の現場から」
- - -第18回:「縦横ジグザグ」・第19回:「縦横ジグザグ(2)」- - -