JEPAキーパーソンズ・メッセージ!
マゼラン出版(株) 代表取締役社長
JEPA理事・電子出版学校委員会副委員長
林 陸奥広電子出版パブリッシャーへの夢。
当社が開催運営のお手伝いをさせていただいているJEPAの電子出版学校『コンテン ツビジネス講座』の第3期が、今月9月末から12月にかけて全7回の予定で開催され ます。今回は「ネットワークビジネス短期集中講座」と銘打って、いよいよインター ネット上に本格的に立ち上がりつつあるEC(電子商取引)事業の周辺に焦点を当てた 内容となっています。 電子書店や音楽配信、あるいは情報出版からの進出など、ネットワークビジネスの最新 状況を読み解くためのキーパーソンをお迎えして、「お金の稼げるコンテンツとサービ スとは何か」を徹底研究します。ぜひ会員社の方々はもちろん、会員社以外の方々にも ご紹介をしていただき、多数ご参加いただけますよう、この場をお借りて宣伝をさせて いただきます。 ネットワークビジネスといえば、電子書籍コンソーシアムの実証実験が11月には端末 のプロトタイプを配布する新しい段階に入ります。こちらも同様に、紙が液晶に代わっ たというだけではない、電子書籍独自の「お金の稼げるコンテンツとサービスとは何か」 を厳しく追求していかなければならないと考えます。そうでなければ電子書籍も、出版 全体の長期低落傾向の波間に消えていくことになりかねません。出版の電子化とは、 出版の形を変えることであり、同時に出版の質そのものを変えることでもあります。 ここで、マゼラン出版のこれまでの生い立ちをごく簡単に説明させていただきます。 当社は求人情報誌の専属編集プロダクションとしてスタートしましたが徐々に編集領域 を広げ、さらにDTP編集をきっかけに電子ブックやCD―ROMなどをメディアとす るパッケージコンテンツのデジタル編集を手がけるようになりました。これまでの「本 の編集」とこれからの「デジタルの編集」というふたつの領域の経験と実績を持つ点が 評価され、百科事典・各種辞書から一般書・漫画までの幅広い分野の電子化のお手伝い をして現在にいたっています。 またこの間、取次コードを持たないためにやむなく他社からの発行となりましたが、 書籍を9点世に送り出しています。この中には延べ刷り部数が10万部を超えるという、 文字通り隠れたロングセラーとなったヒット作も含まれており、編集制作会社から出版 社へのステップアップの可能性を常に志向してきました。 出版が編集・流通・販売のあらゆる局面で大きく変わろうとしている現在、当然当社の 事業展望も従来の経験・実績を土台としながらも、大きく変わらざるをえません。その 舞台がまさに、前述のネットワークビジネスに他なりません。ネットワーク上では、 書籍と音楽という異なったコンテンツが同一線上に並ぶように、大手出版社と零細出版 社という異なった体力の企業が同一線上に並ぶという「夢のような可能性」を秘めてい ます。であるならば、当社にも参入のチャンスがあるのではないか。 ネットワークビジネスの中で、電子出版がどのようなマーケットを形成できるかはまだ 誰にもわかりません。ただどのようなマーケットであれ、そこには当社のような「志」 だけは高いが「体」の小さな電子出版社にもチャンスと役割が与えられるのではないか。 またそのような「夢のような可能性」があってこそ、はじめて電子出版のマーケットが 活性化する…いささか我田引水が過ぎるような気もしますが、電子出版の将来は十分に そのキャパシティを持っていると信じます。![]()
ワンポイント調査報告
【日 本】
書籍は同3.3%増だが、前年同月は11.5%減であった。雑誌は同3.5%減で11ケ月 連続減。 月刊誌が同3.7%減、週刊誌が同3.2%減。当月返品率は書籍が同2.1ポイント減の 42.2%、雑誌は同0.1ポイント減の29.5%。1月から7月までの累計販売実績は、 書籍は同0.5%減、雑誌が同4.2%減、合計で同2.7%減。 ((社)全国出版協会 出版科学研究所発行 出版月報1999年7月号)
書籍・雑誌推定販売額 99年7月期 前年同月比 1.1%減 5ケ月連続の前年割れ
XMLベースで、専用端末やパソコン上で書籍のように読みやすい日本語を表示する ための仕組み。電子書籍コンソーシアムにも事業化の際には同フォーマットの採用 を働きかけ、業界標準の座を狙う。ネットを使った書籍配信を2000年後半に予定し ている。 専用端末の製品化については未定。 (99.9.3 日刊工業新聞)
ソニー 電子書籍の日本語フォーマット「コモンネットEBフォーマット」10月公開
9月1日から神田本店で本格稼働。書誌データベースでは、在庫管理の強化、 読者へのレファレンスの充実などを図る。ネットショップ「Book Site Sanseido」 は、クレジット決済とし、配送料は一部380円、「三省堂ブック急便」の配送料も 一部800円から680円に改定する。
三省堂書店 和書120万点 書誌データベースを構築、ネットショップにも追加
第一段階として、ネットで書店からの注文を日書連のサーバーで取りまとめ、注文 データを取次各社に送信する。書店は取次各社から日書連のサーバーを通じて、 注文処理結果データを受け取る。 (以上 (社)全国出版協会 出版科学研究所発行 出版月報1999年7月号)
日書連 ネット受発注 9月から本格稼働
9月から「BookWebPro」で注文受付、学術書は数万以上と高価なため1冊でも採算 が合うと判断した。 (99.8.31 日本経済新聞)
紀伊国屋書店 絶版の学術書 ネットで受注・出版 1冊から 5社の40点を用意
ホームページ「日本の古本屋」の機能を拡充、一般の利用者は無料で会員登録できる。 古書店は月会費3000円、他店の在庫情報等を入手できる。 → http://www.kosho.or.jp (99.9.3 朝日新聞)
全国古書籍商組合連合会、三菱商事、大日本印刷 ネットで古本探し、注文も
マンガジャパンは、ちばてつや氏ら約80人の人気漫画家で組織する任意団体。 ホームページ「まんじゃぱ」上で彼らの作品紹介やキャラクター商品の通信販売、 メールを利用した漫画情報誌の発刊などを手がける。漫画そのものの有料ネット 配信や、DVD-ROMを利用したデジタルコミックスの商品化などにも取り組んでいく。 → http://www.mangajapan.gr.jp/ (99.8.18 日経産業新聞)
松下電器産業とマンガジャパン 人気漫画をネット配信
講談社、小学館と共同で販売サイトを開設、8タイトルを用意した。早いものでは 雑誌の発売とほぼ同時に購入できる。一話50〜100円程度で有効期限付きの「閲覧 権」を販売する。 → http://manga.accessticket.com/ (99.9.10 日経産業新聞)
富士ゼロックス 連載中の漫画をネット販売 「まんがの国」開始
欧米などで日本の漫画、アニメの熱狂的ファンが増えており、翻訳や吹き替えを していない商品でも需要があると判断した。阪急電鉄の子会社と提携、阪急電鉄 が経営する書店などから商品を調達する。価格の二割程度を手数料として加算し、 クレジットカードで円建て決済する。「アニメ&コミックジャパン」で注文を受け 付ける。 → http://www.fromnippon.com/anime (99.8.30 日本経済新聞)
デジタルトラスト 日本の漫画やアニメ関連商品を海外向けにネット販売
他社のWebに翔泳社が広告掲載、その広告を見て翔泳社のWebに接続、利用者が本を 購入した場合、広告掲載者側に売上高の3〜5%を手数料として支払う。 (99.8.29 日本経済新聞)
翔泳社 書籍販売で新手法 「SEショップ・コム・リンク・プログラム」
関係書との並列販売で相乗効果を狙う。今回の提携で複数の問屋やメーカーを経ず、 トーハン1社を窓口にして品揃えができるようになった。2000年までに100店への 導入を目指す。 ((社)全国出版協会 出版科学研究所発行 出版月報1999年7月号)
トーハン ツクダと提携 取引書店にキャラクター雑貨売場を提案
トーハンの1〜6月調査「書店経営の実態」では、平均売上高伸長率はマイナス 3.6%、調査開始以来最も大きなマイナス値。日販の99年版「書店経営指標」では、 売上高が前年比5%以上の売上増は全体の21.2%、マイナス5%以上の売上減は約 4割に当たる37.6%。二極分化が一層進んでいる。 (99.9.2 新文化)
書店経営さらに悪化 トーハン調べ 4年連続前年割れ 日販調べ 二極分化へ
2000年度から、高品位映像などの大量データを瞬時に送信できる体制作りを急ぐ。 (99.9.4 日本経済新聞)
郵政省 ネットに関する全通信手段を光通信化 100万倍高速化を目指す
現在の日本のインターネット人口については、調査方法により異なった結果が並ん でいることによる。 → http://www.mpt.go.jp/ (99.8.23 Internet Watch)
郵政省 2000年度に「インターネット国勢調査」実施
米国では24時間つなぎ放しで、通信料、接続料などの総費用は月6,000円弱。 郵政省「98年度電気通信サービスに係る内外価格差調査」 (99.9.3 日本経済新聞)
ネット常時接続の利用料 日本は米国の6倍強
情報通信総合研究所調査 → http://www.commerce.or.jp/ (99.9.3 日経産業新聞)
企業対個人間の国内EC市場規模 1,030億円に達した 購入商品トップは「書籍」
2001年には4,000億円市場へ。日本シスコシステムズ調査 (99.8.19 日本経済新聞)
ネット機器 99年国内市場規模 前年比約17%増の3,000億円強
料金徴収システムの一元化で1社当たりの投資負担を抑える。1枚のカードで異なる 局の番組を見られ、視聴者の利便性も向上する。 (99.8.31 日経産業新聞)
BSデジタル放送の参入11社 顧客管理システムを一元化で合意 11月メドに新会社
現在の認定番組数は299、昨年11月のピークより10番組減。今後は経営安定へ淘汰の 時代に入る。 (99.8.30 日本経済新聞)
CSデジタル放送の番組数 郵政省が普及の目安としていた300を割り込んだ
CATV事業者のデジタル化投資負担を軽減するため。CATV業界の再編につながるのは 必至。 (99.8.29 日本経済新聞)
郵政省 有線テレビジョン放送法を抜本改正 番組送信専業にも事業免許を
110万6,000台、金額で494億円。99年度見通しは、420万台、1,900億円。 日本電子工業振興協会調査 (99.8.26 日刊工業新聞)
デジタルカメラ出荷台数(国内と輸出) 4月〜6月期 前年同期比46%増
【世 界】
ネット利用者 2005年までに世界最大の1億4,100万人へ 98年末では620万人。2005年の日本の利用者は7,130万人、全人口の半数以上が ネットを使用する。 ヤンキーグループ調査 (99.9.3 日本経済新聞)インターネット電話の利用時間は98年に3億1,000万分、99年に27億分、2004年に 1,350億分に急増する。 IDC調査 (99.9.10 日経産業新聞)
ネット電話売上高 2004年 190億ドルに 99年は4億8,000万ドル
IDC調査(99.9.9 日本経済新聞)
パソコン出荷台数 7月〜9月期 前年同期比24.8%増 4月〜6月期も同28%増
【米 国】
38万平方フィートの広さに600人を雇用し、2000年春に稼働する。100万タイトル 以上の書籍を蓄積し、いつでも配送可能に。「Amazon.com」も6月に、80万平方 フィートの配送センターを開設予定。 (99.8.23 Internet Watch)
Barnes&Nobleのオンライン書店「Barnesandnoble.com」 巨大配送センターを開設
このサービスは、特定の企業、学校、組織などによって購入された書籍、音楽、 ビデオのトップ10をリストアップするもの。Microsoftの社員とOracleの社員の間 で読まれている本を比較したり、日本人がどんな本を買っているか調べるといった 使い方ができる。 → http://www.amazon.com/PurchaseCircles/ (99.8.24 Internet Watch)
Amazon.com プロフィール別のベストセラーランキング「Purchase Circles」公開
サービス名は「eマター」、作者は月1ドルの掲載料で著書を同社のサイト経由で 販売できる。通常の書籍の印税は5%程度だが、販売収入は同社と作者の折半に なる。 著書の内容を随時変更可能なことから技術専門書などに適する。 (99.9.3 日経産業新聞)
ネットで専門書籍販売のファットブレイン・ドット・コム 著書配信サービスも
全ファックス通信のうちの10%がインターネットに移行する。Dataquest予測 → http://gartner4.gartnerweb.com/dq/static/about/press/pr-b9949.html (99.8.27 Internet Watch)
インターネットファックスの利用 2002年 140億ページに 99年は17億ページ
アルタビスタはネット広告を収入源とし「フリーアクセス」を開始、ゲートウェイ などパソコンメーカーはパソコン購入者に条件付きで無料接続を提供。ネット接続 業者からもパソコンを無料配布する動きがあり、利用コストは格段に下がる。 (99.8.13 日本経済新聞)
ネット無料接続拡大 インターネットはさらに普及へ
形態としては、バナー広告が最も多く(58%)、次がスポンサーシップ(29%)。 契約の種類では複数の課金モデルを組み合わせたものが51%、続いてCPMあるいは インプレッションに応じた課金が43%。 Internet Advertising Bureau (IAB)調査 (99.8.23 Internet Watch)
ネット広告収入 4月〜6月期 前年同期比2倍の6億9,300万ドル
DVDビデオグループによると、DVDソフトは昨年の2倍以上のペースで売上が伸び、 総タイトルは年末で5,000に達する。家電メーカー団体CEMAは99年の出荷台数見込み を180万台から300万台へ大幅に上方修正した。 (99.9.6 日本経済新聞)
DVD市場 急拡大 原動力はハード・ソフトの低価格化と販促効果
IDC調査 (99.8.24 日本経済新聞)
パソコン販売 2001年 直販が小売店を上回る 98年の直販は前年比25%増
(99.8.23 日経産業新聞)
「無料パソコン」に暗雲 注文殺到、出荷追いつかず 事業としての定着は不透明
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【連載】「キーワード設定の現場から」
- - -第22回:「発想する検索」- - -