Vol.31


JEPAキーパーソンズ・メッセージ!

(株)日本電子出版 専務取締役
柴田 義一

生まれながらの無鉄砲さが災いし、子供の頃から損ばかりしてきた。 本業である翻訳業の省力化を図ろうと17年前にコンピュータ会社と共同で「電字林」 という英和辞書ソフトを世に問うた。ものめずらしさもあり当初はずいぶんと売れたが、 すぐに旧来の出版社が「減価償却した」紙の辞書を電子化して商戦に参入、資金回収 出来ぬうちに追いつき追い越された。 ならばと小型情報検索機に着目し、メーカーと共同開発でICカード電子本を作ったの が15年前。しかしICの値段がまだ高く時期尚早の結果に終わった。 この頃が電子出版の揺籃期。NHKでICカード本と一緒に取り上げられた電子出版物 は当会の設立メンバーである新学社のマルチメディア学習システムと日外アソシエーツ のデータベース検索システムであった。 電子出版で負った借金を返すのに10年かかった。このところ漸くゆとりが生まれてきた のだが、またぞろ頭をもたげて来たのがヴェンチャー精神ならぬ山っ気…。 これからはじめるTranNetは、国内で出版される翻訳書の訳者をオーディションによって 決定しようという、我が国ではじめての「翻訳者選定電子オーディションシステム」 です。国内の出版各社の賛同を得て、それらの会社が出版を予定している書籍を課題とし て提供してもらい、広く翻訳希望者を募ってもっとも適切な人を訳者として採用します。 オーディションはすべてインターネットを利用したオンラインで実施されます。課題の 提出も、応募も、成績発表も、すべて電子メールとウェブページを使っておこないます。 従って応募から発表まできわめて短期間のうちに行なわれます。 運営は入会金と1回毎の応募料によってまかなわれます。いい翻訳者を求める出版社と 実力ある翻訳志望者をマッチングさせるこのシステム、自分ではインターネットの最上 の利用法と悦に入っているのですが、はて採算にのるかどうか。 興味のあるかたは、柴田までtel 3266・9689ご連絡下さい。 BACK

今月の調査報告

特集
「本が買える日本語サイト」Ver.3

◇◇ 「データベース関連サイト」 ◇◇

日本書籍出版協会

98年までに発行された57万点に、会員出版社からの提供データで新刊も更新して掲載。

日本雑誌協会

会員社発行雑誌の発行部数、読者構成データなどを掲載。

図書館流通センター

各図書館向けに、購入のための情報提供として書評的なデータを掲載。

国立国会図書館

国立国会図書館に納本された約10万点の書誌情報を掲載。

電子ブックコミッティー

電子ブックライブラリーのコーナーで、ジャンル別にタイトルを掲載。

EPWINGコンソーシアム

EPWINGライブラリーがありタイトル一覧を掲載。

日本文藝家協会

日本の文芸家のホームページを紹介。

TOLLE ET LEGE

世界のオンライン書店のリンク集。国別に紹介しており各書店に関する解説付。

◇◇ 「小説が読めるサイト」 ◇◇

井上夢人

「99人の最終列車」という小説が読める。同時刻の複数の人の視点で楽しむことも 可能。

いとうせいこう「WATCH SEIKO」

いとうせいこう氏による公式サイト。

竹内真

第66回小説現代新人賞を取った竹内真氏のホームページ。

筒井康隆(休載中)

「The Rumors About Me(原題:俺に関する噂)」など8作を読めるが有料。

堀晃

「マッドサイエンティストの手帳」「宇宙法廷ノート」等、創作ノートなどが読める。

村上龍

村上氏が撮った写真なども楽しめるが有料。料金は半年間で14ドル相当。

e-NOVELS

作家が共同でネット上で小説を産直する。2、3月頃からは書き下ろし小説をダウン ロード販売する予定。

日本文学等テキストファイル

「古事記」などの古典から近代の作品まで、日本文学をテキスト化したファイルに 関するリンク集。

Novel Station

アマチュアの作品、短編から長編まで450を超える作品が読める。

ゐんばの大型小説の世界

アマチュアの作品、短い・鋭い・ばかばかしいをテーマにした小説、約30編が読める。

【日 本】

書籍・雑誌推定販売額 99年 前年比3.2%減 2兆4,607億円 3年連続減

書籍が同1.6%減の9,936億円、雑誌が同4.2%減の1兆4,672億円。 書籍は3年連続、雑誌は2年連続の前年割れ。書籍が1兆円を割り込んだこと、 雑誌の落ち込み幅が大きかったことが99年の特徴。

書籍・雑誌推定販売額 99年12月期 前年同月比 2.2%減

書籍は同1.4%減、雑誌は同2.7%減。雑誌は月刊誌2.5%減、週刊誌が3.3%減。 当月返品率は書籍が同1.5ポイント減の40.3%、雑誌は同数の27.2%。

日書連のホームページ「本屋さんへ行こう!」 1月中旬から本格稼動

書店がバードネット会員(有料)になると書籍検索や取次各社とのオンライン 受発注が可能になる。読者は近くのバードネット会員登録書店に注文できる。 (以上 (社)全国出版協会 出版科学研究所発行 出版月報2000年1月号)

CSK 出版社、書店50社を結んだ出版業界向けECサービスを提供 4月から

参加企業全体の販売ランキングなどのデータを照会できるのが特徴。 雑誌売行き情報を発売翌日に把握可能。 (2000.2.3 日経産業新聞)

イー・ショッピング・ブックス 在庫がない書籍も取り寄せて販売 4月から

扱う書籍は現在の10万点から2倍に増える見込み。稼動2ケ月の実績は、予想以上 に伸び、店頭受渡しが9割を占める。 (2000.2.3 新文化)

阪急電鉄 ネットで書籍販売 3月をメド 雑誌、洋書、古書を除く約20万点用意

同社直営の駅売店、コンビニ、書店の計約90ヶ所で現金と引き換えに受け取れる。 手数料、配送料は無料。 (2000.2.8 日経流通新聞)

富士ゼロックスと村上龍 ネット上で公開した小説を希望者に製本して販売

ホームページは「セルフパブリッシング/向現オーサーズ・オウン・パブリッシング」 著者側に権利がある作品が対象でネット上で読むのは無料。 → http://www.bookpark.ne.jp/cogen/ (2000.1.17 日本経済新聞)

あかつきビーピー 絶版本など希少本をネット受注 約1週間で配達 1冊から

サービス名称は「BOOK ON LINE」(仮称)、4月から開始予定。ハードカバーの 単行本が対象。 (2000.1.25 日本経済新聞)

スカイソフト 読者のし好に合う本をジャンルに限らず電子メールで提案

筑波大学の研究室と共同でプログラムを開発、ジャンルを超えて本を薦めるのは 珍しい。 (2000.1.25 日経流通新聞)

東洋インキ、丸紅、ゼブラ・ソフトウェア 出版物を紙と同じイメージで配信

新会社を設立、ゼブラが開発したネット配信システム「インフォページャー」を 採用し、5月から日本国内でサービスを開始予定。 (2000.2.7 日本経済新聞)

トーハンインターメディア 試験問題を専門に配信する「カモンドットコム」開設

各種入試問題や資格試験の過去の問題と解答を自宅のパソコンなどでダウンロード 購入、書店店頭のパソコンでもプリントアウトしてもらえる。4月から本格展開。 ((社)全国出版協会 出版科学研究所発行 出版月報2000年1月号)

日本出版販売とトーハン 取引先書店との電子化の割合 90%を超えた

(2000.1.12 日経流通新聞)

トスカドメイン 携帯プレーヤー向け電子書籍「スマートノベルズ」5点投入

同ソフトは、出版物を朗読した音声や効果音を東芝の記録媒体「スマートメディア」 に収録した「聴く本」。 (2000.1.26 日刊工業新聞)

文教堂とドトール エスプレッソカフェを併設した複合型書店を展開

大手チェーン同士が組んで多店舗展開するのは珍しい。 (2000.1.18 日本経済新聞)

書店出店状況 99年 626店 98年より116店減 4年連続前年比減

売場面積も前年比約4,000坪減だが、300坪以上の大型店は昨年より5店増。 (2000.1.13 新文化)

ネット人口比 約13% 男女比は約6対4

パソコン所有世帯率は約32%、パソコンのインターネット接続率は約45%。 Nielsen//NetRatings 人口1万人以上の市町村を対象に調査 → http://www.netratings.co.jp/press_releases/pr_010200.htm (2000.2.3 Internet Watch)

消費者向けEC市場 2004年 6兆6,620億円へ 99年の約20倍

主要分野は自動車、旅行、不動産に。 電子商取引実証推進協議会、アンダーセンコンサルティング予測 (2000.1.20 日経産業新聞)

2005年 ADSLサービス 100万件、CATV 400万件に普及

携帯電話を利用したネット接続は8,000万件、ISDNは500万件へ。 シード・プランニング予測 (2000.2.8 日経産業新聞)

モバイルコンピューティング人口 2003年度 5,292万人 99年度は1,723万人

モバイルコンピューティング推進コンソーシアム予測 (2000.1.12 日経産業新聞)

DVDビデオプレーヤー 国内出荷台数 38万8,000台 前年比62.2%増

日本電子機械工業会調査 (2000.2.1 日本経済新聞)

【世 界】

Webページが10億ページを突破

米Inktomi社と米NEC Research Institute調査 → http://www.inktomi.com/new/press/billion.html (2000.1.20 Internet Watch)

ネット利用における男女格差がなくなる 女性の割合は99年12月で50%

ただし、利用時間は男性の方が長い。1月に費やす時間は1人平均で8時間17分。  Nielsen//NetRatings 昨年の利用動向調査 → http://www.nielsen-netratings.com/press_releases/pr_000120_review.htm (2000.1.25 Internet Watch)

デジカメ市場 2001年 1,000万台へ 99年は前年比69%増の536万台

日経マーケット・アクセス予測 (2000.2.9 日経産業新聞)

PC出荷台数 99年 前年比21.7%増 1億1,350万台

シェア1位はコンパックの13%、2位はデルで9.8%。2000年は99年比4%程度の 成長率の鈍化を予想。 ガートナーグループ調査 → http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/20000125/gartner.htm (2000.1.26 PC Watch)

【米 国】

ネット広告 2000年に85億ドル 米広告市場の3.7%を占める 99年は40億ドル台

インターネット広告協議会調査 (2000.1.25 日本経済新聞)

デジタル衛星放送加入世帯 99年6月 前年同月比39%の伸び CATVを追う

多チャンネル放送全体でのシェアは12.5%、初めての二ケタ。CATVのシェアは82%。 (2000.1.15 日本経済新聞)

家庭と企業での利用を合わせたデータ通信量 月35万テラバイト 通話量を上回る

ライアン・ハンキン・ケント調査 (2000.1.20 Internet Watch) BACK

【連載】「電子出版のデスクトップ」

- - -第5回:「人を見たら泥棒と思え」- - -


BACK前のページに戻る
Homeトップページに戻る