Vol.36


JEPAキーパーソンズ・メッセージ!

日外アソシエーツ(株) 営業本部 営業課 課長代理
JEPA理事・デジタル情報ビジネス研究委員会副委員長 大塚 祥夫

 私事ながら、先日ファックス付きの電話を購入しました。毎年買い換えるものでは ないし、せっかくだからという思いや欲も出て、機能テンコ盛りの機械を選びました。 それはそれで良かったと思っていますが、お目当てのファックス機能の設定から始め 留守電機能や着メロの設定まで、半日くらいの間、取り扱い説明書を読んでは種々の 設定を試すことの繰り返しをしました。半日も費やしたのだから、全ての機能を習得 できたかというとさにあらず、いまだにスキャナの機能を使いこなせないでいます。 電話の側には常に取り扱い説明書という状況がしばらく続くようです。  「ワトソン君ちょっと」から始まった電話は、私の知らない間に随分と変貌を遂げ、 操作パネル前面には当然のようにe-mailと書かれたボタンが鎮座しています。早速、 説明書を繰ると、電話会社に登録する必要があるもののe-mailが利用できるとの旨、 説明されていました。漢字は利用できずカナでの送信に限定されているようだけれど、 チョットした用件ならば充分間に合うでしょう。  カナでの送信で思い出しましたが、しばらく前から、通勤電車の中で携帯を取り出し てはじっと電話を見つめている人を見かけるようになりました。初めは理由がわからな かったので背筋がぞっとしたものです。その後、携帯電話でe-mailが出来る事を知った ので慣れるようにはなりましたが、親指が変形してしまうのではと思うくらいの速さで ブラインドタッチ(?)する姿には今でも違和感を覚えるものです。  従来の電話機は肉声での通話だけでしたが、今やe-mailを送受信する機械として変貌 を遂げ、ますますPDAに近づいていくように感じます。こうなると会社だけで見ていた e-mailも転送の設定をすることにより携帯電話でいつでも見ることができます。ます ます仕事とプライベートの時間的な区切りがつきにくくなってきたようです。  ともかく、多くの人が関心を持っている分野には必ずビジネスチャンスがあると確信 して、CD-ROM辞書にこだわらない新しい形の商品を開発していこうと思っております。  この7月の人事異動で営業から商品開発の部署へと移ることになりました。そうなっ たから言うわけでもありませんが、セミナーとは別にJEPAに参加している会員社同士が 自由に話し合える機会を設けていただければと思っています。各会員社で電子出版に 携わっているもの同士が話し合いの機会を得れば、その中から相互に協力できることも 生まれるでしょうし、おもしろい商品ができるかもしれません。ヒントは様々に隠され ているはずです。以前あった飯田橋クラブのようなものが実現する一つの形のような 気がしています。 BACK

今月の調査報告

【日 本】

書籍・雑誌推定販売額 2000年5月期 前年同月比 1.8%減

今年は5月まで連続してマイナス成長。書籍は同2.1%減、雑誌は同1.6%減。雑誌 は月刊誌が同0.7%減、週刊誌が同4.0%減。当月返品率は書籍が同0.6ポイント増 の42.8%、雑誌は同0.3ポイント減の30.7%。 ((社)全国出版協会 出版科学研究所発行 出版月報2000年6月号)

徳間書店 電子書籍を単独で先行配信 9月には角川書店など7社と共同で開始

「徳間Web書店」を開設し「ザウルス」向けに、月末からは「BIGLOBE」 「@ニフティ」を通じてパソコンに配信する。1冊500円から800円。 → http://www.tokuma.com/ (2000.6.21 日経産業新聞)

富士ゼロックス 村上龍氏の新刊「希望の国のエクソダス」をネットで先行販売

注文を受けた時点で印刷、製本して配送する。購入者には特典としてネット販売 独自の表紙とコンテンツを付ける。 → http://www.bookpark.ne.jp/cogen/ (2000.6.23 日経産業新聞)

小学館、NEC、シーエーシー ネットを活用した新サービス会社設立

会社名は「ウェブプログレッシブ」。具体的には小学館の保有するコンテンツを データベース化しネット上でコンテンツ制作・販売などの事業を展開する。 (2000.6.15 日刊工業新聞)

ビー・オー・エル・ジャパン 書籍をネット販売 今秋以降はCDなども扱う

日本語書籍約50万タイトルのほか英語、ドイツ語など9つの外国語書籍約450万 タイトルを扱う。ラッピング対応やメッセージカードを付けるなどして独自性を 強調する。 → http://www.jp.bol.com (2000.6.28 日本経済新聞)

菱友計算、ユキプロジェクトなど 「赤い靴」設立し、洋古書をネット販売

カナダの洋古書ネット販売最大手のアドバンスト・ブック・エクスチェンジと 提携し、同社の1,700万点のデータベースを活用する。洋古書分野での取扱点数は 国内大規模に。 → http://www.akaikutsu.com (2000.7.5 日経産業新聞)

鳳文書林出版販売 航空専門書をネット販売 150種類を扱う

http://www.hobun.co.jp (2000.7.5 日経産業新聞)

「版元ドットコム」販売開始へ 読者への直販と同時に書店には8掛で卸しも

同サイトは、本の内容から検索できるデータベースを出版社自身の責任において 構築することを目的に立ち上げた。現在の会員出版社数は33社。「Books」と 協調態勢をとる。 (2000.6.29 新文化)

ジェイブック 書籍・CDなど検索・試聴・購入申し込みができる端末を店頭配置

端末名は「デジタル・サーチ・システム」、ネット通版と連携する。文教堂のほか 駅売店やスーパーなど初年度に首都圏を中心に200カ所への設置を計画。 (2000.6.22 日本経済新聞)

小田急電鉄 三省堂書店でネット注文した書籍を18駅の売店で手渡しサービス

関東の私鉄では初めての試み、手数料は無料。 (2000.6.15 日本経済新聞)

集英社、小学館、祥伝社、白泉社 書店注文を共同受注 配送まとめ物流費削減へ

「s-book.net」を立ち上げ、約6,000店の書店とのネット取引きを目指す。 → http://www.s-book.net/ (2000.6.23 日本経済新聞)

紀伊國屋書店 書籍ネット販売の検索機能を強化

希望在庫の有無、欲しい書籍が流通しているか、絶版・品切れなどの情報も表示する。 (2000.6.19 日経産業新聞)

作家・鐸木能光氏ら 文芸作品の著作権証明機構の準備サイトを立ち上げ

ネットを表現の場とする作家達が「誰が何をいつ作り出したかわかる」システムを 確立しようというもの。 → http://chosakuken.org (2000.6.21 読売新聞)

ブッキングと自費出版ネットワーク 自費出版の支援サービス開始

オンデマンド方式を採用し、10部単位の少数部数から自費出版の注文を受け付ける。 コストが安く済むうえ、ネットを通じて自分の作品をアピールできる点を売り込む。 (2000.7.6 日経産業新聞)

ボイジャー サイト上で出版物を縦書表示できるシステム「ドットブック」開発

デジタル化した作品を縦書きやルビ付きなど日本語独特の書式に容易に変換できる。 (2000.6.29 日刊工業新聞)

角川書店や講談社など大手出版6社 雑誌の売行きを共同調査する専門組織設立

組織名は「雑誌販売データ共同収集機構(雑誌POSセンター)」。調査コストが 削減でき、競合出版社の売行きデータも把握できる。 (2000.6.29 日経産業新聞)

通産省 ネット通販のJIS規格来年導入へ 電子メールで受注確認を義務付け

サービスを提供するネット事業者に、受注確認のメッセージを電子メールで購入 希望者に送り返すことなどを義務付ける。電子商取引の信頼性を高め、市場の発展 を促すのが狙い。 (2000.6.29 Internet Watch)

通産省 ネット向け暗号技術ソフト 輸出を原則自由化 電子取引拡充へ

規制を緩和した米国に追随し、情報通信分野で日本企業が国際競争に遅れないよう にする。 (2000.6.19 日本経済新聞)

ITサービス市場 99年 前年比3.2%増の4兆9,679億円

2004年は、6兆4,000億円へ。 IDCジャパン調査 (2000.6.27 日経産業新聞)

ネットによる分野別サービスへの関心 1位は「病院・治療に関する情報」

2位は「行楽地宿泊予約・道路情報」 日本情報処理開発協会調査 (2000.7.6 日経産業新聞)

【世 界】

情報通信技術市場 99年 2兆ドル 2004年は3兆ドルを超える見通し

世界41のIT業界団体の連合体WISTA報告 (2000.6.21 日経産業新聞)

ネット広告市場 2000年 前年比65%増の70億ドル

2005年は4倍の277億ドルへ。米ジュピター・コミュニケーションズ調査 (2000.6.22 日本経済新聞)

【米 国】

電子署名法案成立へ 10月にも施行 電子商取引に拍車がかかるのは確実

(2000.6.15 日本経済新聞)

ネットでニュースを知る人 2年前の6%から15%に増加

テレビを情報源とする人は38%から30%に低下した。 PEW調査センター調査 (2000.6.16 日経産業新聞)

米・コミックスワン ネットで日本の漫画をダウンロード販売

NHK出版など15〜20の出版社で立ち上げ、1巻当たり1ドルで格安に提供する。 出版社に対しては1巻当たり平均20万円の著作権使用料と、アクセス1件当たり 10円が支払われる。 (2000.6.22 新文化) BACK

【連載】「電子出版のデスクトップ」

- - -第10回:「世界規模のおしゃべり」- - -


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