OPDS

2015.10.15

OPDSとは

OPDS(The Open Publication Distribution System)は、電子出版物を探しやすくするためのオープンな形式のカタログ配信フォーマット。ブログやニュースサイトで更新情報の配信に利用されるRSSに似たAtomフィードで、電子出版物のタイトル、著者、サマリー、価格などの書誌情報の配信や取得が容易になる。新刊情報などのカタログ(目録)を広く流通させることが出来るため、販売促進やプロモーションに利用できる。

 

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従来はユーザーが電子書籍を探す場合、電子書籍ストアや電子図書館などのライブラリーサイトに訪れ、読みたい本を検索して探す必要があった。読みたい本がない場合は、他のストアを訪問して検索するといった手間が必要だったが、ストアやライブラリーがOPDSに対応することで出版物の集約(aggregation)、配信(distribution)、発見(discovery)、 取得(acquisition)が可能となり、ユーザーはプラットフォームに依存せずに、世界中のストアやライブラリーから自分が読みたい電子書籍を手軽に検索、発見、取得し、電子書籍にアクセスすることができる。
 
ブログの更新情報をRSSで配信し、RSSリーダーでこれを取得して購読する仕組みと同様に、電子書籍ストアは、書誌情報などのメタデータをOPDS形式で配信する。ユーザーは、OPDSリーダーを利用してこのフィードを受け取り、世界中の電子書籍情報から読書したい書籍を探し出すことができる。

OPDSの仕組み

OPDSの仕様は、Internet Archive、O’Reilly Media、Feedbooks、OLPC(One Laptop per Child)など、パートナーの非公式グループにより策定され、現在のバージョンはOPDS Catalog1.1である。

OPDSカタログはAtomとHTTPをベースとするフォーマットで、フィードと呼ばれる出版物の関連情報を記述したXMLベースの文書フォーマット。OPDSカタログは1つ以上のAtomフィードのセットであり、AtomフィードはAtomエントリの一覧である。

OPDSのフィードには、2種類のフィードがある。カタログをブラウジングするために階層をつくるナビゲーションフィードと、出版物を一覧して取得可能にする取得フィードである。ナビゲーションフィードは、他のナビゲーションフィード、取得フィード、またはその他のリソースへのリンクである。取得フィードにあるそれぞれのAtomエントリーには、その出版物のメタデータ、フォーマット、入手方法が含まれる。

有志による仕様書の日本語訳は、以下で公開されている。

Open Publication Distribution System (OPDS) カタログフォーマット ver.1.1 仕様書(日本語訳)
OPDS 入門(OPDS Primer

課 題

利用には電子書籍ビューアーなどのアプリやサービスがOPDSに対応する必要がある。現在は十分に普及が進んでいる状況とは言えず、一部のストアや出版社がOPDSカタログを配信しているにとどまっている。

一般的に電子書籍ストアやライブラリーは、専用ビューアーを利用した垂直統合型のサービスモデルであり、個々にユーザーの囲い込みを行っている。新刊情報、売れ筋ランキングなどの販売情報は、専用アプリ内で通知したり、メルマガといった手段で読者に直接届けられることが多い。また、広くプロモーションを行うにはTwitterやFacebookなどのSNSも積極的に利用されている。このような状況も、OPDSの普及がなかなか進まない理由の一つと考えられるが、そもそもストアなどの事業者や開発ベンダーに、OPDSが十分に認知されていない状況も課題である。今後の普及啓蒙活動が望まれる。

OPDSを採用したサービス

日本では、達人出版会O’Reilly Japan青空文庫技術評論社などがいち早く採用した。

海外では、BookServer(Internet Archive)、FeedbooksProject GutenbergO’Reilly Media台湾 中華電子佛典協會 漢文大蔵経などが採用している。

OPDSをサポートするリーダー

AndroidではMoon+ ReaderAldikoMantano Reader
iOSでは、QuickReaderMegaReaderなど。
EPUBReaderFBReaderなどはあらゆるデバイスで利用できる。

OPDSに対応した日本のサービスをあらかじめ登録済みのリーダーとしては、ミントリーダーをChromeで利用できる。

[柳 明生/イースト株式会社/20151013]