JEPAキーパーソンズ・メッセージ!
(株)日本実業出版社 新メディア局局長代理
実務書をCD-ROM化した商品を手に入れた。市販の書籍数冊分を1枚のCD-ROMに まとめたものである。既刊の当該書籍と比較してみる。書籍では縦組みのものが、 このCD-ROMでは横組みで表示されている。縦にスクロールしていくパソコンのディ スプレー上で読むには、しょうがないか。 しかし、さすがに縦組みと横組みとでは印象が違う。横長の表が縦長の表に組 み換えられている。書籍の編集者は、かなり苦心してこの表をつくったのだろうな。 それが何の変哲もない単純な縦長の表に……。しかも、右側半分が空きのままだ。 書籍だと考えたらいけないんだよな。でも、横長の表を縦長にするには手間がかか っているわけで、その分コストもかかっているはず。手間とコストをかけて改悪 (パソコンの特性上しょうがないとわかっていても)しなければならないのか。 これはつらいな。編集者は、スンナリ納得したのだろうか。 本文や表中の色がかわっている用語からは、その説明がされている箇所へリン クが張られていて、クリックすればそこへ飛べるようになっている。これは便利だ。 が、大部分の説明は、その用語の周辺にあるんだよな。書籍であれば、同じページ か、せいぜい前後のページを繰れば出てくる。書籍のように1ページ全体が一覧で きないからこれも過剰サービスとまではいえないが、若干、無駄な手間がかかって いるといえなくもない。 別の色の会社名をクリックすると、ブラウザーが立ち上がって、その会社のホー ムページにつながるようになっている。便利だけれども、そのホームページで必要 項目を探して戻ってきたら、それまで読んでいた本文は頭の片隅へいってしまって いて、再度戻ってざっと読み直さなければならない。ブラウザーの操作(?)に神 経がいってしまっていたんだな。私だけかな……。 さらに、色の違う「○○請求書」をクリックすると、そのテンプレートが開い た。表計算ソフトのExcelが入ってないとダメ(こういう実務書を読むビジネスマン は必ず使っているのかな?)だが、これは便利だ。数字を入れれば、計算してくれ、 得意先名や自社名、年月日も入れられ、出力もできる。これはもとになった書籍に はない。もっとも、スペース的に入らないし、自動的に計算してくれるなんてこと は逆立ちしてもできっこない。ほかから調達してきたのかな、手づくりかな。これ も手間がかかっているな。だけど、実際に使うには、もう少し加工しないと……。 加工できる人は、この程度の請求書の様式は1からでもすぐにつくれるよな。 何、全文検索もできるって。うちのでもやってみたいな。でも、この程度のボ リュームの本文について、全文検索が必要なのかな。目次を見れば、当該用語がど の辺に入っているか、ほぼ見当はつく。それに、検索ソフトの組込みは、高いんじゃ ないかな。 いずれにしても、立派、うらやましい。つくり手として考えられることは、一 応すべて曲がりなりにでも実現している。しかし、いろんな機能が活用できるから といってあれもこれも盛り込んでみても、使い手にとって利用価値があるのかどう か。つくり手のひとりよがりではないのか。確かに、販売価格は、書籍数冊分の4 分の3程度にはなっている。 それは是としよう。が、時たまにしか使わない機能を盛り込み、そのため価格が高 くなっているとすれば、その分価格を下げたほうが読者にとってはありがたいので はなかろうか。極端な話、書籍と同じ内容のものをPDF化しCD-ROMにして、書籍の 8掛くらいの価格で売り出してみてはどうか。それでも書店には並ばないだろうな、 それよりもこれからはネットの時代で、CD-ROMはいまや時代遅れなのか……など、 CD-ROMをみては日々思い悩んでおります。
JEPA理事
西田 豊![]()
ワンポイント調査報告
【日 本】
書籍・雑誌合計の推定販売金額は2兆5,415億円で前年比3.6%減。 内訳は、書籍が同 5.9%減の1兆100億円、雑誌が同 2.1%減の1兆5,315億円。 書籍は2年連続、雑誌は1950年以来初めてのマイナス成長。 返品率は、書籍が同 1.7ポイント増の41.0%、雑誌が0.3ポイント減の29.2%。 書籍の新刊点数は同0.1%増の6万5,513点、雑誌は創刊点数が前年より10点減の 169点。
書籍・雑誌 98年 販売概況 97年の0.7%減に続いて2年連続マイナス成長
CD-ROM単体 287点(前年同期比 70.7%) CDブック 94点(同151.6%) CD-ROM+書籍 685点(前年同期比106.5%) カセットブック 35点(同 72.9%) 電子ブック 10点(前年同期比 25.6%) ビデオソフト 1,585点(同 96.9%) CD+書籍 387点(前年同期比186.1%) (注)CD-ROM単体は一部メーカー系も含む。ビデオソフトは書店ルート向け、委託 扱い及び出版系セルビデオで、本体価格5000円以下の低価格商品をカウント。 (以上 (社)全国出版協会 出版科学研究所発行 出版月報1999年1月号)
マルチメディア関連商品新刊発行点数 98年
新規出店売場面積は6万5,000坪、前年比2万坪減 (99.1.14 新文化)
書店新規出店数 98年 742店 前年比105店減 出店ラッシュ止まる
注文率は96年が7%、97年は10%強、98年は22%、99年は50%近くまでいく可能性 がある。他社と違い会員料を取っていないことも要因か。 (99.2.10 日刊工業新聞)
ヤマト運輸系書籍宅配会社のブックサービス インターネットによる注文が急増
100万点以上の書誌検索サービスを開始、注文できるのは同社の在庫約30万点で出版 社からの取り寄せはない。取引のある50書店がモニター店として商品受取窓口とな り、参加書店の加盟料は当初は無料。受注から着荷まで4〜5日をみている。 → http://www.osakaya.co.jp (新文化 99.1.20)
大阪屋のホームページ「本の問屋さん」
1月25日より読者の注文受付開始「BooksLink」は、書籍データベース「Books」 で検索した詳細情報を各出版社の ホームページで見るための仕組み。4月からは会員にも実費負担として3万円を 求める。 (99.1.14 新文化)
書協 「BooksLink」を協会会員外の出版社にも1社6万円で開放
効率的な広告の出稿計画を立てるために総合的な指標を測定するもの。「雑誌メデ ィア調査」と「雑誌広告調査」に分ける。 (99.2.4 新文化)
ビデオリサーチ 雑誌総合調査を10月から開始 400〜500誌を対象に
生産は前年比3.6%減の2,989万トン、出荷は同3%減の2,988万トン。99年の内需 見通しは、洋紙が同0.4%増、板紙は横ばいで全体で0.2%の伸び。 日本製紙連合会調査(99.1.25 日経産業新聞)
洋紙・板紙需要実績 98年 生産・出荷共に5年ぶりに前年を下回る
データ放送も自由に同放送の免許を取得すれば、映像放送以外にデータ放送も自由 にできるようになる。「FMラジオ放送」も同様に。 (99.1.21 Internet Watch)
郵政省 放送法改正案 「テレビジョン放送」等の定義を変更
(99.2.4 日経産業新聞)
通産省 音楽、ゲーム、DVDソフトなどを不正にコピーする機器類販売の法規制に乗り出す。
不正競争防止法を改正、月内にも国会へ提出。98年11月時点で20万4,263件 (99.2.5 日本経済新聞)
NTT デジタル専用線サービス契約数 20万件を突破
実験では、Webトラフィック調査などを手がける米Media Metrix社およびNTTと技術 協力をする。 http://www.videor.co.jp/inf/990121_7.html (99.1.22 Internet Watch)
ビデオリサーチ ネット視聴率調査のフィールド実験 2000年以降に事業化予定
ノート型が構成比の45%を超し、前年比9.1%の増加。シェアトップは昨年に続き NECで24.8%。続いて富士通の23.1%、日本IBMの10.2%。 日本ガートナーグループ調査 → http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/990204/gartner.htm (99.2.5 Internet Watch)
国内パソコン出荷 98年 前年比0.9%減の777万台、99年 同9%増の847万台に
98年度は300万台、1,000億円を上回ると予想、今後も市場は拡大を続けるとの見通し。 (社)日本電子工業振興協会(JEIDA)調査 → http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/990122/jeida.htm (99.1.23 PC Watch)
デジタルカメラの出荷台数 97年度 234万5,000台 約834億6,000万円
家庭用ゲームソフトが1,649万点、音楽アルバム130万点、音楽シングル108万点、 ビデオソフト104万点。 (99.1.18 日本経済新聞)
コンビニでのソフト実売総数 デジキューブ 創業以来2年2ケ月で2,000万点突破
日本電子機械工業会(EIAJ)予測 (99.1.20 日本経済新聞)
DVDプレーヤー国内需要 99年 50万台と倍増へ
【世 界】
名称は「グローバル・ビジネス・ダイアローグ・オン・Eコマース(GBDe)」 参加したのは米AOL、タイム・ワーナー、富士通、三井物産など。 (99.1.19 Internet Watch)
電子商取引の各種規制や枠組みを協議する新団体、世界100社以上で結成
事実上の世界標準誕生。 合意したのは米マスターカード、ビザ・インターナショナル、富士銀行、米IBM、 日立製作所など。他に欧米アジアの銀行が50行以上参加予定。 (99.1.25 日本経済新聞)
金融機関と情報通信メーカー 電子決済手法を標準化で合意 年内に実施
米国のネットユーザーは女性が男性を上回る。インターネットコマースは倍以上の 680億ドルに、300万台以上のネットTVが利用され、パソコン価格は400ドルに下がる。 (99.1.22 日経産業新聞)
IDC 99年年次動向予測 インターネット人口 1億4,700万人に
Network Solutions社調査 → http://www.netsol.com/news/pr_19990112b.html (99.1.14 Internet Watch)
新規ドメイン名の登録件数 1年で2倍に、日本は8位から11位にランクダウン 98年中に新たに登録されたドメイン名の数は約191万1,000件、97年は96万件。国別で は、米国が全体の7割を占めている。
Arbitron社、Edison Media Research社発表 → http://www.arbitron.com/article4.htm (99.2.10 Internet Watch)
インターネットを利用している米国人のうち13%が、Spinner.comのような
インターネット・ラジオを聴いている。半年の間に利用者が倍増、立ち後れる本物のラジオ局。米データクエスト調査 (99.1.31 日本経済新聞)
パソコン出荷台数 98年 9,300万台 前年比15.3%増
99年は初めて1億台突破へLinuxが急拡大、Windows NT Serverは同27.2%増、UNIX全体は予想よりも低い同 4.1%増。 米IDC調査レポート 「The Server Operating Environments,1998 in Review」(速報値) (99.1.21 Internet Watch)
サーバーOS出荷ライセンス数 98年 前年比25.2%増 97年は同15.3%増
米国の家庭内パソコンで「もっともよく使われるアプリケーション15製品」の ひとつとなった。 Media Metrix社調査 → http://www.real.com/company/pressroom/pr/99/q498results.html (99.1.28 Internet Watch)
RealNetworks社 RealPlayerの登録ユーザーが5,000万人を突破
【米 国】
注文品を選び発送するまで、機械化されたシステムにより1件当たり2〜4ドル かかっていた発送コストが1ドル以下に。 また、コンピュータ制御のリフトにすると通路の幅は従来よりも狭い1.95メートル ですみ、在庫スペースは2割ほど増やすことができる。 流通センターはますます大型化する傾向に。 (99.1.28 新文化)
出版界 大規模な流通センターの建設が盛ん
バーンズ&ノーブル、マクミランなど98年は約90億ドル、2000年には約300億ドルと3倍以上に急拡大。 → http://osecnt03.osec.doc.gov/public.nsf/docs/commerce-ftc-press-release (99.2.8 Internet Watch)
米政府 2000年の半ばからインターネットショッピングを独立した統計として公表へ
(99.2.5 日経産業新聞)
オンライン会社の間で、ラジオやテレビなど従来のマス広告を利用する動きが広がっている。
98年1〜9月にマス広告に費やした費用合計は3億2,230万ドル。
前年同期を1億ドル以上上回った。IDC予測(99.1.13 Internet Watch)
LANを使用するホーム・オフィス世帯 現在は91万世帯 2002年までに800万世帯に
1位ブルーマウンテンアーツ、2位アマゾン、3位 eベイ、 4位 バーンズ&ノーブル、5位 eトイズ 「e テール」という「小売り」を意味するリテールとの合成語まで生まれた。 (99.2.3 日経産業新聞)
人気ショッピングサイト 98年12月
ボストン・コンサルティング・グループ調査 (98.12.21 日本経済新聞)
ネット通販市場規模 98年 前年の2.6倍 130億ドルの見込み クリスマス商戦が貢献
SCEの「プレイステーション」はゲーム機本体販売台数と売上高で54%のシェア、 任天堂の「ニンテンドー64」は台数で28%、売上高で35%のシェア。 PCデータ調査(99.1.30 朝日新聞)
テレビゲーム機本体とゲームソフトの合計売上高 98年 49億6,000万ドル
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【連載】「キーワード設定の現場から」
- - -第8回「棒の手紙」・第9回「AV」- - -