キーパーソン・メッセージ

2017.04.03

権利クリアランス業務の積み重ね

ユニフォトプレスインターナショナル  太田 智徳

 今は著者や編集者、制作者がウェブ上で必要なアタリ画像(サンプル)を探し出すことが容易になったため、出版や販売を可能にするための使用許諾の取得、その他の権利クリアランスや高解像度データの入手という業務をいかに円滑に行うかがポイントになってきております。

 特にデジタル教科書や教材の制作が急激に増えた時期でもあったため、画像だけではなく映像や音声、文章などの新たなコンテンツの権利クリアランスが加わり、使用許諾先も国内外の法人や個人、官民組織と多岐に渡りました。そして映像が加わったことで映り込んでいる人や団体など許諾先の種類や数も相当増えました。

 このような変化の中、フォトエージェンシーとしてさらにクリアランス業務を積み重ねて行きながら、使用者側に対してはまずはトラブルが起こらないようにすること、許諾に至るまでの期間を短くし、コストが軽減できるように代替コンテンツの提案などフォトエージェンシーとしてのネットワークとノウハウを生かした方法でコンテンツ入手から使用許諾までの一連の業務をバックアップしていきたいと思います。

 今後も益々デジタル時代におけるコンテンツの利用形態やそれに伴う権利クリアランスの手法も変化をしていくと思います。現場で実務を行っていく者として使用者と権利者の利益に少しでも貢献出来るように真摯にこの業務に努めていきたいと思います。

2017.03.01

AIと創作物

日本マイクロソフト   田丸 健三郎

ここ数年AI・機械学習などのキーワードを耳にすることが非常に増えてきている。私自身の業務においても、IoT、ビッグデータと共に頻繁に使用される用語がAI・機械学習だ。
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旧来の分析手法では明らかにできなかった情報をAIの力を借りることにより明らかにできるケースが増えてきている。これにより公開した情報には企業秘密、個人情報が含まれていないと考えられたデータであっても、AIを活用することでそういった情報を明らかにできてしまうケースが出てきている。また、分析だけでなくAIによる二次創作も積極的に試みられるようになってきており、創作物の定義、即ち権利に関して大きな議論を巻き起こしている。内閣府 知的財産戦略本部が設置している委員会(座長 東京大学 渡辺俊也先生)の議事録などは大変興味深い。
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私の辛い通勤を楽にしてくれる小説。人が書いた小説とAIが作成した小説を見分けることができない時代が近い将来くるだろう。AIが学習に使用した小説、それをもとに作成された小説、AI技術だけでなくAIにとって学習する上で重要なデータである人による著作物について、これまでに無い視点でその権利関係を考えないとならない時期がきている。
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AIが創り出すものには元となるものが存在する。それは、そのAIが学習する為に使用したデータとしての他者の創作物だ。芸術家も成長の過程において様々な作品の影響を受けていると想像される。人と異なり、AIの場合は学習に使用したデータが明らかであることが大きな違いであり、権利関係を複雑にする要素をはらんでいる。AIと創作物の今後の展開に注目したい。

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