MARC

2017.05.11

MARCとは

 MARC(MAchine-Readable Cataloging)とは、図書館や資料館などの収蔵資料の書誌情報を、機械処理に提供するために設計されたデータフォーマットである。日本語では「マーク」と読まれ、「機械可読目録」と訳される。本来の意味どおり目録のフォーマット自体を指す場合と、サービスとして提供するためにMARCの形式で記録された書誌データベースを指す場合がある。

 

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歴史

 1965年、アメリカ議会図書館(Library of Congress)の先導で機械可読目録の整備が開始された。議会図書館のプログラマーであったヘンリエット・エイブラム率いるチームの手で実用化が進み、1966年にはMARC Iフォーマットが完成。国際化を念頭に置いてさらに改良されたMARC IIフォーマットは「LC MARC」と呼ばれ、1970年代にはアメリカ国内に普及した。

 1970年代後半より、国際標準となるMARCを策定する動きが世界的に進んだ。1977年には国際図書館連盟(IFLA: International Federation of Library Associations and Institutions)が「UNIMARC」を公表。アメリカのLC MARCは1985年に「US MARC」と名称を変えていたが、カナダで開発されていたCAN MARCとの調整が1997年に行われ、「MARC 21」として統合された。イギリスでは、1975年から大英図書館でUK MARCを開発していたが、2004年にMARC 21に移行。MARC 21は事実上の国際標準となっている。

 

日本におけるMARC

 日本の国立国会図書館は1981年から、UNIMARCに準拠した「JAPAN/MARC」フォーマットを頒布している。しかし2012年からは、国際的な動きを鑑みJAPAN/MARCでのデータ提供をMARC 21に変更。同時に使用文字コードも従来のJISコードから多言語に対応できるUnicodeに切り替えた。

 書誌データベースとしてのJAPAN/MARCの作成は、国内各図書館の目録統一と共有を目的として、コピーカタロギングのソースとなる全国書誌を目指して進められていた。しかし、JAPAN/MARCは書籍・雑誌の刊行からデータの頒布までのタイムラグが比較的長く、新刊の情報取得には不向きであった。このため、新刊書籍の購入機会が多い公共図書館にとっては実用性が低いものとなってしまい、民間の図書取次会社などが資料納入と合わせて提供するMARCに取って代わられることとなった。主な民間MARCには、図書館流通センター(TRC)のTRC MARC、日本出版販売株式会社のNS-MARC(日販MARC)などがあるが、公共図書館の8割以上がTRC MARCを採用している。

 

MARCの今後

 そもそもは図書館資料の管理や図書館サービスの充実のために作られていたMARCだが、OPACの普及により一般の人が外部から資料を検索するために欠かせないものとなっている。今後は、図書館で電子書籍の貸し出しを行う狭義の「電子図書館」のサービスが進むとみられ、これに合わせたMARCの拡張や利用法の多様化などが期待されている。

 

参考URL

国立国会図書館 JAPAN/MARCマニュアル・フォーマット http://www.ndl.go.jp/jp/data/catstandards/jm/index.html

 

 

[松本千晶 株式会社研究社 20170508]