2016年12月19日 学術情報の国際流通における過去、現在、未来

2016.12.14

研究者が科学情報を発信し、得る手法は数十年前と現在では様変わりしています。インターネットの登場により、大量の情報が短時間に得られるようにもなりました。そして今後の数十年には更に大きな変化を遂げるでしょう。 その創世記から現在までをエルゼビアジャパン、シュプリンガー・ジャパンの2大学術出版社の社長を歴任された深田良治様にお話し頂き、今後の進む方向について科学技術・学術政策研究所 (NISTEP) 科学技術予測センター上席研究官の林和弘様にお話し頂きました。

第一部: 【⇒配布資料】
国際STM出版社から見た出版メディアの変遷―単行本からe-journalへの40年―個人的印象
講師:フカダメディア代表 深田良治 様

講演要旨:国際学術出版の仕事に携わって40数年、この間にいくつもの変遷の波を経験しました。
第二次世界大戦の後、国際学術出版の主要言語は英語になり、研究者のリサ-チのスピ-ドが格段に早くなりました。その結果、単行本での研究活動の公開では追いつかず、その役目はジャーナルにとって変わられるようになりました。
90年代の後半に“紙”のジャ-ナルはe-journalとなり、e-journalのあとには当然e-booksが登場し、既存の”紙”の時代の時には存在しなかった新しい本の読者層が生まれました。そしてジャーナルの巨大化に伴う購読価格の高騰に対抗する、新しいビジネスモデルとしてオープンアクセスが生まれ、その延長線上でオープンサイエンスの動きが各国の研究機関で真剣に議論されるようになりました。サイエンスも明らかに独占ではなく”シェア”の方向に向かっています。
これからの数十年で国際学術出版の流れはどこに行くのかを聴衆の皆様とともに考えたいと思います。

第二部:
学術ジャーナルの電子化がもたらした学術情報流通の革新とオープンサイエンス時代の学術出版
講師:科学技術・学術政策研究所 科学技術予測センター 上席研究官 林 和弘 様

講演要旨:1990年代後半に始まった電子ジャーナルの電子化により、学術情報流通の環境は飛躍的に向上しました。さらにオープンアクセスを一つのきっかけとする、学術情報流通の仕組そのものの変革が起こり始めており、オープンサイエンスのキーワードで様々なステークホルダーによる取組が始まっています。20年前より学術情報流通の変革に携わってきた経験を踏まえ、未だ激動の時期を迎えている学術出版の将来を展望します。



セミナー概要:
日時:12月19日(月) 15:00-17:30 (14:30受付開始)
料金:JEPA会員社は無料、非会員社:3000円(当日持参、領収書発行)
会場:飯田橋:研究社英語センター
主催:日本電子出版協会(JEPA)