電子出版アワード2015 候補作品リスト

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●デジタル・インフラ賞
共通書誌情報システム(出版デジタル機構)
日本電子書籍出版社協会とデジタルコミック協議会が共同で策定した共通書誌情報 76 項目をもとに、これを実際の電子書籍流通に利用するためのシステム。今年5月に稼働。
Maruzen eBook Library(丸善)
2012年1月スタートの機関向け電子書籍配信サービス・プラットフォーム。2015年9月時点で、170出版社25,000タイトルを収載。国内大学を中心に、専門学校、海外大学、さらには企業研究所や病院なども含めて400機関以上が利用。
ロマンサー(ボイジャー)
自分が書いた原稿からEPUBを作成して、Webブラウザベースの閲覧システムで公開するWebサービス。公開作品の閲覧にボイジャーのBinBを利用。基本機能は無料で利用できる。
BookLooper(京セラコミュニケーションシステム) 
 電子書籍のDRMや決済機能を備えた大学・企業向け電子書籍配信サービス・プラットフォーム。学習者や教員が保有するコンテンツ(自分が書いたドキュメンツ、制作教材、スキャン・ドキュメント他)の掲載も可能。またメモ・マーカー・全文検索などの学習支援機能が充実。閲覧履歴データの分析もできる。
POD流通サービス(インプレスR&D)
アマゾンだけでなく、honto.jp、楽天ブックスなど、POD書籍の流通網を独自に開拓した新しいタイプのサプライチェーン。
note(ピースオブケイク)
個人向けのメディアプラットフォームで、クリエイターとユーザーをつなぐウェブサービス。文章、写真、イラスト、音楽、映像などの作品を投稿し、ブログやSNS同様に無料での公開も販売もできる。10月にはiPhone/Androidアプリもリリース。
Cakes(ピースオブケイク)
2012年にスタートしたWeb上の出版プラットフォーム。定額読み放題モデル。読者の閲覧に応じて記事編成が変わるサイト構造や、twitter拡散者へのアフィリエイトなどWebで記事が読まれるための取り組みが面白い。

●スーパー・コンテンツ賞
NDL所蔵古書POD岩波書店(岩波書店・インプレスR&D)
岩波書店の100年前の名作を復刊。国立国会図書館(NDL)がインターネットで公開している「近代デジタルライブラリー」の古書をプリント・オンデマンド(POD)技術を使って印刷・製本する取り組み。紙デジタル紙(POD)という、ありそうでなかった出版形態が特徴。
火花(文藝春秋)
10DL突破。電子書籍としての功績ではないものの、電子版の「文藝春秋」(同作品掲載号)も含め、電子出版を購入する動機づけになり得たという点で評価したい。
村上さんのところ(新潮社)
村上春樹国内初の電子書籍。書籍と電子書籍と内容も価格も変えた点も評価したい。この作品以降、村上春樹の電子書籍は文藝春秋、講談社とつづく。
完全電子版「週刊アスキー」(KADOKAWA)
 今年5月で紙版の刊行を停止し、6月から完全電子版となった。雑誌のデジタル化時代を感じる。
P+D BOOKS(小学館)
入手困難になっていた昭和の文芸作品をペーパーバック書籍と電子書籍で同時発売。5月に創刊し、11月刊行・配信予定分で42冊。

●エクセレント・サービス賞
マンガボックス(DeNA)
大手出版社とも協力した無料のマンガアプリ。投稿プラットフォーム「マンガボックスインディーズ」などの取り組みも。
comico(NHN PlayArt)
2014年に大きくダウンロード数を伸ばした無料コミックアプリ。フルカラー、縦スクロールなどスマートデバイスに特化させているのが特徴。『ReLIFE』のようにこのサービスから紙で出版される作品も。2015年6月には1,000万DL達成!
LINEマンガ(LINE)
話題のLINEが提供するマンガ配信サービス。スタンプにキャラクターを提供しているのも良い。講談社、小学館、メディアドゥとの提携で海外展開など積極的。20151月よりLINEマンガインディーズ。20162月には出版事業へも進出予定
めちゃコミック(アムタス)
スマートフォン、フィーチャーホンでコミックが読める電子コミックストア。130ポイント(1ポイント=1円)で読めるほか、無料で立ち読できるコミックも多数。20151月実績で月間利用者数500万人を記録。また今年2月からはラノベの配信も。
医中誌Web(医学中央雑誌刊行会)
国内医学論文情報のインターネット検索サービス。1977年以降、約6,000誌から収録された約1,000万件の論文情報を収載。全国の医学・歯学・看護学系大学のほぼ100%で導入。もともとは1903年創刊の冊子体媒体だが2000年からWeb化、2005年には完全にWebシフト。
Audible(Amazon)
1995年に米国で創業されたオーディオブックの老舗企業。2008Amazonが買収し、満を持して日本に登場。糸井重里や宮沢りえを起用しての普及促進活動は、オーディオブック全体の認知度向上につながるかも
ヤマタイム(山と渓谷社)
 登山用のデジタル地図&計画マネージャ。コンビニで登山地図のプリントサービスなども。

●チャレンジ・マインド賞
小説執筆の支援ソフト「ものがたりソフト」(芝浦工業大学)
認知心理学で用いられる「プロトコル解析法」という手法を用い、作家・中村航氏の発話内容を書き出し、思考の規則性を整理。小説家の思考をシステム化。画面に出る質問項目に沿って答を入力していくことで、小説を全く書いたことのない人でも話のあらすじを作ることができるソフトを開発。
GINGER mirror(幻冬舎×楽天)
雑誌編集部がGINGER読者に対して楽天市場のアイテムをセレクト、そのまま購買に繋げる機能を持たせた新しいタイプの電子雑誌。
旅色など(ブランジスタ)
電子雑誌専門出版社。紙の市場では部数減や広告出稿量減にあえぎ、電子雑誌市場でも「dマガジン」のようなサブスクリプションモデルのみが伸びて売上がシュリンクする中、広告モデルとして成り立っているモデル。電子雑誌の在り方を探るヒントになるのでは
Code for 青空文庫」アイデアソン(本の未来基金)
青空文庫をテクノロジーで支え、発展させるお手伝いに興味をもっていただけるエンジニアを発掘するために行われたアイデアソン形式のイベント。
一人出版社「クリエイティブエッジ・スクール・ブックス」(境祐司)
オンライン学習と電子書籍、ワークショップを連動した、新しいデジタルパブリッシングを推進している一人出版社。コンテンツの企画、制作からストアの運用まで、一人で作業しており、リリースしたコンテンツは6ヵ月で販売終了、2ヵ月の準備期間を経て、無料公開というビジネスモデルを採用することで、「オープンエデュケーション」の場づくりを実践している。
Manga ONE(小学館)
 一定の範囲内(iOSでは話数制、Androidでは時間制)は無料で閲覧できる。それを消費したら「回復」を待つが、アプリ内課金やアイテム購入で早い「回復」も可能というゲーミフィケーションの要素を取り入れた無料マンガアプリ。

●エキサイティング・ツール賞
Vivliostyle(ビブリオスタイル)
DTPで作った紙面と同等の表現を画面に持ち込むためのHTML5ブラウザ拡張とそのHTML5CSS3データからPDFを生成するツール。W3C CSS WGでの標準化と連携し、画面と紙面をワンソースで実現。
Himawari Reader(グリーンフィールド)
Android向けEPUBリーダ 音声、動画、MediaOverlaysGPSにも対応。個人で開発されており、20129月の登場以降、機能強化が続けられている。
PUBLUS Reader(ACCESS)
マルチプラットフォームに対応したEPUBビューワ。単体のアプリケーションで提供されるほか、ブラウザ形式でも提供しているのが特徴。また、Readium SDKを採用した標準EPUBビューワとして世界で初めて商用化した製品でもある。
一太郎2015(ジャストシステム)
EPUBおよびmobi
(Kindle用フォーマット)など電子書籍ファイルの書き出し機能を備えた定番本語ワープロソフト。単に電子書籍を書き出すだけでなく、執筆支援機能や校正支援機能など、個人作家の執筆から制作・出版までで必要な機能をすべて備えており、セルフパブリッシングに欠かせない製品に仕上げられている。
kobo Aura H2O(楽天kobo)
防水機能付の読書端末。お風呂で読書ができる、ヘビーユーザーにはありがたい端末。
MD Viewer(メディアドゥ)
タテヨコ自在読み機能「ユニバーサルフリック」を搭載したビューアアプリ。
honto with(トゥ・デファクト/大日本印刷)
丸善・ジュンク堂の実店舗、オンライン書店、電子書店の本の串刺し検索のほか、来店時にアプリをチェックインさせるとhontoポイントが付与されるというO2O施策を評価したい