KDP

2015.09.25

KDPとは

Kindle Direct Publishing(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)とは、AmazonのKindleストアで本を出版し、販売するためのサービス。略してKDPという。セルフ・パブリッシングの代名詞的なサービスでもあり、Amazonにアカウントを持っているユーザーであれば誰でも利用することが可能。KDPで出版した電子書籍はKindle端末だけでなく、無償のKindleビューアーで読むことができる。

 

もっと詳しく!

2012年10月、Kindleストアの日本国内サービス開始と合わせてKDPがスタート。個人が手軽に一般書籍と並んで電子書籍の自費出版をすることが可能となった。
まもなく、藤井大洋氏が「Gene Mapper -core-」をKindleストアで出版して作家デビュー。7000部を売り上げ、Amazon.co.jpの「2012年Kindle本・年間ランキング小説・文芸部門」で1位を獲得して話題となった。電子書籍の作り方やKDPでの出版体験なども注目され、「セルフ・パブリッシングの電子書籍が売れる」という認知が広まった。

KDPでの出版の仕組みは非常に簡単である。KDPにコンテンツを登録することで、Kindleストア内で本を配信・販売できる。EPUB、Word、HTML、Mobiなどの形式で作成されたコンテンツをアップロード可能。「KindleGen」、「Kindle Comic Creator」といった電子書籍制作ツールも用意されている。KDPの利用は無料。コンテンツ登録(出版)時に売上に対する販売ロイヤリティを選択することで、売上の35%か70%を収入として得ることが出来る。

利用方法

コンテンツの用意が出来たらKDPにログインし、書誌情報を入力して、表紙データ、コンテンツをアップロードする。次に販売地域の選択と価格設定を行って登録完了。Amazonにおける審査を経て、48時間以内に公開(出版)となる。
なお、コンテンツの制作にあたって、Amazonから「パブリッシングガイドライン」(PDF、2.8MB)が提供されている。表紙、目次、画像やテキストなど、制作全般に関する技術的な解説や注意点などの詳細が記載されている。コンテンツの内容に関しては「コンテンツガイドライン」に定めてあり、著作権違反や、わいせつ・悪意を含む表現のコンテンツが出版できないのはもちろんのこと、コンテンツがWebサイトから無料で入手可能である場合も、販売は許可されない。
Kindleストアでの売上は、米国での課税対象となり、米国居住者以外のユーザーの場合は、事前に課税回避措置の申請(W-8BENの提出)をしておく必要があったが、現在はこの手続きは不要。米国以外でのKindle ストアの源泉領収は行われなくなり、ほとんどの場合、免税手続きをする必要はなくなった。

KDPセレクト

KDPセレクトは、Kindleストアに本の独占販売権を提供することで70%の販売ロイヤリティを得る仕組み。Kindleストア以外の電子書籍ストアでも販売したい場合は、KDPセレクトは利用せずに35%のロイヤリティを選択する必要がある。KDPセレクトに登録された本は、「Kindle Unlimited」(定額読み放題サービス)、「Kindleオーナーライブラリー(KOL)」(一カ月に一冊だけ無料で読むことが出来るサービス)の対象となり、より多くの読者が手に取りやすくなる。また、「Kindle Countdown Deals」(本の期間限定キャンペーン割引)や本の無料キャンペーンなどのキャンペーンも実施可能。

プロモーション

出版された本はストア内ですぐに埋もれてしまうため、出版後のプロモーションが売れ行きを左右する。Kindleストアでは36万タイトル以上(2015年9月現在)のタイトルが販売されており、この中から読者に本を発見してもらい、購入してもらうために、KDPは、プロモーションと販促に役立つ様々なツールやプログラムを提供している。
セルフ・パブリッシングにおけるプロモーションは、作品の魅力を紹介する公式サイトやランディング・ページを制作し、ブログやSNSで宣伝してこれらのサイトに誘導する手法が一般的。

関連サービス

KDPやセルフ・パブリッシングが話題になったことで、いろいろな関連サービスやノウハウを提供するサイトが立ち上がった。KDPをはじめとする主要な電子書籍ストアに対するコンテンツ登録手続きの手間を省略してくれる出版代行サービス、新刊・セール情報を提供してプロモーションを手助けしてくれるサイト、ランディング・ページの作り方を紹介するサイトなど、さまざまである。
また、コンテンツ制作面でも、表紙を作成するためのフリー素材の提供や、表紙や挿絵の制作代行サービス、電子書籍フォーマットへのコンテンツ変換サービスなどが提供され、有償無償を問わず、誰もが手軽に出版しやすい環境が整いつつある。

[柳 明生/イースト株式会社/20150914]