出版契約書

2017.01.12

出版契約書とは

 作家や写真家などの著作権者と出版社が著作権法上の複製を可能にし出版するために結ぶ契約書のこと。電子書籍に対応した2015年の著作権法の改正により出版契約書も電子出版に対応する内容と変わって来ている。

 

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出版契約書の種類

 出版契約は、著作権者と出版社が自由に合意し契約するものであるが、概ね以下の3つのタイプに類型化することができる。

①出版権設定契約

日本の出版界では最も一般的な契約形態で、著作権者から出版のための必要な権利を認めてもらう契約。出版権は、著作権法79条・80条で規定された権利で、複製権を独占的に得ることができる。一方、出版社は一定期間内での出版を義務づけられるなどの制約もある。

②著作権譲渡契約

出版社が著作権者から著作権を譲り受ける契約で、これを元に出版社は出版を可能にしようとするものである。欧米では、この形態が一般的であるが、日本では著作権者が権利の譲渡を嫌い一般的ではない。

③利用許諾契約

著作者の著作物の利用許諾を受け、出版を可能とする契約。出版権設定契約とは異なり、著作権法上の制約がなく自由に契約内容を決められるが、第三者への対抗力はない。出版権設定契約は、独占契約となるが、この場合は、独占・非独占いずれの形態もありうる。

契約率

 2011年​に社団法人日本書籍出版協会が行ったの調査では、出版契約書の締結率は、73.3%で、5年前の2006年の45.9%から急速に拡大した。

電子出版への対応

 2015年1月施行の著作権法改定に伴い、社団法人日本書籍出版協会では、出版権設定契約ヒナ型を改定した。

 ヒナ型は、以下の3種類が用意されている。

①出版権設定契約書ヒナ型1(紙媒体・電子出版一括設定用) 2015年版『出版契約書』

②出版権設定契約書ヒナ型2(紙媒体出版設定用) 2015年版『出版契約書(紙媒体)』

③出版権設定契約書ヒナ型3(配信型電子出版設定用) 2015年版『出版契約書(電子配信)』

 出版界では、この書協ヒナ型をそのまままたは一部改変して使っている出版社が多く、書協ヒナ型が業界標準的なものとなっている。

[生駒大壱 株式会社旺文社 20170105]