メタデータ

2022.06.22

メタデータとは

一般的には、あるデータについての情報、すなわちデータそれ自体ではなくそのデータの属性やそのデータに関連する情報のこと(例:データの作成者、作成日、タイトル、フォーマット等)。データの管理、検索等に用いられる。電子出版の文脈においては、書誌情報・書誌データをメタデータと呼ぶことが多く、出版者が電子書籍書店や電子書籍取次を通じて電子書籍を公開、販売する際には、電子書籍のデータとともに一定のフォーマットに基づいたメタデータ(書誌情報)を納品することになる。

 

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電子書籍販売実務におけるメタデータ

電子書籍を公開・販売する際には、電子書籍データ自体とともに書誌情報としてメタデータが必要となる。メタデータに記載される項目の例としては、書名(タイトル)、サブタイトル、シリーズ名、巻数、著者(訳者、編者等)、出版社、内容概要、(検索用の)キーワード、価格、ISBN、底本ISBN、表紙画像情報、言語、対象年齢層、ページ数、データフォーマット等々がある。電子書籍書店等での内部的なデータ管理として使用されるとともに、ユーザーにとってもファインダビリティの観点から重要な情報となる。

メタデータに記載する項目やデータフォーマット(CSV・TSV、Excel等)は電子書籍書店によって異なる場合が多いため、複数の電子書籍書店で販売する際にはメタデータの作成は煩雑になるが、電子書籍取次を介することで効率化を図ることができる。


本のメタデータのガイドライン(Amazon)
書籍のメタデータと情報 - Google Play ブックス パートナー センター ヘルプ


 

メタデータ(書誌データ)の例

電子書籍に限らず、出版物一般に関する検索、流通、販売等に利用されている書誌データの例として以下を挙げる。

・JPO出版情報登録センター(JPRO)

紙と電子の出版情報を一元的に整備、管理することによって業界の効率化、発展を図ること目的として、出版関係の業界団体である日本出版インフラセンター(JPO)が運営している。2020年6月末時点の登録点数は、紙:2,216,866点 電子:241,601点。収集された書誌データは、書店向けにはBooksPRO、一般ユーザー向けにはBooksとして公開されている。データフォーマットとしてはONIX(後述)を採用している。


書誌情報の収集・配信(出版情報登録センター JPRO ) - JPO 一般社団法人日本出版インフラセンター


 

・TRC MARC( MAchine Readable Cataloging )

株式会社図書館流通センターが作成、提供している、図書館用の情報処理、情報検索を目的とした書誌データベース。1982年に開始され、登録累計件数は2021年4月時点で約400万点。国内公共図書館の2913館で採用されている(2021年6月1日時点)。図書館利用でのニーズに対応するため、一般的な書誌情報に加え、装丁関連情報、書評掲載や文学賞等の受賞情報など、多角的な項目が用意されている。また、書誌情報であるMARCと、個人名・団体名・シリーズ・全集等々の関連典拠ファイルと連携することで検索を拡充している。


株式会社図書館流通センター(TRC) || TRC MARC(図書館ツール)


 

・ONIX

出版物の流通に関する標準化推進を行う国際団体であるEDItEUR( European Book Sector Electronic Data Interchange Group )が管理するメタデータフォーマット。XML形式で記述されており、書籍を対象とした ONIX for Books の他、ファミリーとして、雑誌を対象とした ONIX for Serials、契約管理情報を扱う ONIX for Licensing Terms 等がある。2009年4月にバージョン3.0がリリースされ、電子書籍への対応がなされている。MARCが、図書館利用を目的としていることから資料としての観点を重視した書誌情報であることに対し、ONIXは商品としての書籍の流通サポートを目的としていることから、取次・販売店情報や取引条件、(電子書籍の場合の)DRM情報など、流通・販売に関する項目要素が含まれている。


ONIX:書籍流通における出版社のメタデータ標準化 / 吉野知義 | カレントアウェアネス・ポータル

EDItEUR | ONIX 3.0 Specifications


 

EPUB形式のデータに含まれるメタデータ

電子書籍データのフォーマットとして普及しているEPUBでは、EPUBファイル内に含まれるOPF( Open Packaging Format )ファイル内にメタデータ要素を記述することとなっている。記述には、Dublin Coreと呼ばれるメタデータ記述のためのボキャブラリが主に使われている。EPUBを閲覧、編集するビュワーソフト、アプリケーションによっては、この情報を閲覧、編集することができる。また、EPUBのアクセシビリティ仕様であるEPUB Accessibilityでは、OPFファイルにアクセシビリティに関するメタデータを包含することを求めている。


EPUB Packages 3.1(日本語訳)

EPUB アクセシビリティ 1.1(日本語訳)


 

[井野口 正之 特別個人会員 20220620]