『転機』

2014.12.09

小学館   田中 敏隆

 2015年が出版界にとって大きな転機となる年ではないかと思っている。
 出版業界は、3000社以上の出版社があり、出版のジャンルによっても様々な事情があり、決して一枚岩になれることは想像できなかった。
 それは、業としての出版には、先人の努力により積み重ねてきた所謂〝エコシステム〟が機能し、再販制度にも救われてその多様性と独自性を守ることが出来た。
 今世紀に入り、インターネットがインフラの整備とデバイスの進化で本当に身近なモノとなり、そのチャンスを活かすか、ネットが取り払った障壁から押し寄せた荒波に押し流されるか、大きな転機を迎える。
 転機の一つは、新年から施行される改正著作権法かもしれない。付帯決議に呼応して出版権・書誌情報基盤整備委員会が立ち上がり、〝出版情報登録センター〟が設立されることとなった。デジタルが大きなシェアを占めるようになり、すべてのエンターテイメントもエデュケーションも一つのデバイスで楽しめるようになったのだから、紙の本を守る為にもデジタルの環境整備を出版界が行う事は必然である。
 『転機』を『好機』と考え前向きに取り組むことで大きな飛躍ができると信じている。