テレワークで思うこと

2020.04.01

じほう 斉藤真木

 ちょうどこの原稿を書いているときに、テレビから「土曜日曜不要不急の外出自粛要請と平日のテレワーク要請」がテレビから流れてきた。

 出版業を生業にしている弊社では、昨年秋からオリンピックでの通勤困難対策としてテレワークの導入を検討していたが、今回のコロナ感染対応で急遽テレワークを導入することになった。ノートパソコンの購入、VPNの設定などなど突貫工事でできるところからテレワークを始めてみたが、いざおこなってみると想像以上に紙に頼った業務をおこなっていることがわかり愕然とした。

 一昔前に比べれば、著者原稿はメール、印刷所とのやり取りはサーバを通じて行うことができており、社内業務を工夫すればある程度できるだとうと思っていた。しかし、組みあがったゲラのチェック、赤字対応等は紙でおこなわないとという編集者が多く、結局完全なテレワークはできず、紙を取りに会社にいくといった状態となっている。道具はそろえてみたものの、業務自体がアナログなので四苦八苦しているのが現状である。

 画面上PDFで原稿チェック、赤字対応等おこなっている同業他社も多数あり、一時業務効率が落ちるとは思うが、コロナ感染対応だけでなく大型台風や近い将来やってくるであろう大型地震といった天災時、外出禁止令などが出た場合に対応できないことになってしまうので、もう一歩業務のデジタル化を進めていこうと考えている。

 電子書籍の普及を目指す当会の会員としてはずかしい限りであるが、逆に今回のコロナ感染対応で世の中のデジタル化が進み、電子書籍の普及も進むのではないだろうか。

 実際、ここ数週間「電子書籍での販売はおこなってないのですか」といった問い合わせは確実に増えている。業務のデジタル化が進み、テレワークが進んでいけば、資料や参考図書もデジタルにする必要がでてくる。弊社のような出版社は自社本、他社本等多くの参考図書を置いており、これが見れないことがテレワークのさまたげとなっている。

 既存の参考図書のデジタル化は当会会員の株式会社イースト様がおこなっているアスパラシェルフのようなサービスを使うことにより解決できる。この流れができれば新たに購入する参考図書は電子書籍でといったことも増えるのではないだろうか。

 人間便利さだけではなかなか既存の行動を変えようとはしない。今回のような外的要因により、人の行動が変わり、考え方も変わるときが電子書籍普及のチャンスとなると考えている。