コロナの年のJEPA

2020.12.01

JEPA事務局  清水 隆

 今回は、キーパーソン・メッセージとはいっても、いつもとは異なり、JEPA事務局から今年の活動、これからの活動についてお知らせしたいと思う。今年の初めには、このような年になるとはだれも考えなかっただろう。この年に決定的な影響を与えたのは新型コロナウイルスという存在であった。

 JEPAは年次総会を2月20日に開催したが、その頃にはコロナウイルスの感染に対する警戒は強まり、その翌週からは主催セミナーが軒並み中止に追い込まれた。それは、こちらでリアルセミナーの開催を自粛したというより、講師の企業などの方針が出されたことによるという面が強かった。

 そして、3月25日がリアルな理事会が開催された最後になった。その前後のセミナーはもちろん、委員会も中止になっている。7都府県に緊急事態宣言が出されたのは4月7日のこと。その2日後にはJEPAで最初のZoom委員会が開催された。それからのち、委員会も理事会もオンラインで開催することになる。

 セミナーの開催は、年次総会の時に仲俣暁生氏に講師をお願いしてから、4か月後の6月22日にオンラインセミナーを開催するまで途絶えていたことになる。5月からJEPA役員や会員を対象にしたZoom体験会などで、オンラインミーティングの準備に取り組んできた成果としてオンラインセミナーが成立した。

 Zoomで司会や講師が参加し、100名までの視聴者も参加可能だが、同時にYouTubeでそれをライブ配信するという現在に至るまでのスタイルが確立された。このスタイルで11月までに開催されたセミナーの数は17回に及んでいる。

 そして、ついにJEPAの年末恒例行事「電子出版アワード」もオンラインだけで開催しようとしている。各部門賞の発表、受賞コメント、大賞選出、パネルディスカッションなど一連のイベントをすべてオンラインで行うことになる。少し込み入ったオペレーションになるが、楽しみにしていただきたい。

 オンラインでの活動は思いのほかスムースに広がったといえる。ネットワーク環境やソフトウェア的には、だいぶ前からオンラインミーティングは可能だったが、顔をそろえて話すという習慣をなかなか超えられなかった。コロナ禍によるリアルミーティングの自粛が、長年の習慣の壁を一挙に超えるきっかけとなったのだろう。

 そうなると、オンラインミーティングのほうが人の集まりがいいし、Webセミナーはより多くの参加者に視聴してもらえることになった。

 JEPAの活動、委員会開催、セミナー開催、理事会開催など、多くはオンラインでできることになった。一週間に1、2度事務所に出て、支払いや郵便物などの対応をすれば、たいがいのことはリモートですますことができる。事務所も最小限のスペースに縮小して、ネット上に活動の場を移行していくことになりそうだ。