4回目は「継続」

2022.09.01

小学館  田中 敏隆

 『キーパーソン・メッセージ』は、4回目になります。毎回、〝キーワード〟を付けていました。最初が【転機】、次が【好機】、前回が【外部要因】でした。今回は【継続】です。

 私は、業界が長くなって、いつの間にか様々な事を手掛けています。もしかすると終わりはないのかも知れません。一番長いのは、電書連になった電書協で、図書館関連を長く担当してきました。実際には、NDLの電子納本(オンライン資料の収集)を実証実験から制度化に向けた規約などの打合せなどなど、リポジトリで対応しますので、その後の運営も大事になります。

 次に長いのがJPOの出版情報登録センターで、積み上げながら、出版社・取次・書店・図書館などをつないでいきました。持続可能な出版インフラを構築する作業はとても重要な仕事だと思っています。

 そして、読書バリアフリー法対応。書協のAB委員会とJPOのABSC準備会に参加しています。その関係でMETIとNDLの会議にも委員として参加しています。全部がバラバラに始めた仕事ですが……もちろん小学館では、経理担当ですのでこちらが本業ですが、すべてがJPROに繋がっていきます。

 JPRO側では、出版情報登録センターの管理委員会・委員長ですので、電書連の取組対応や読書バリアフリー法への対応、入手困難本ではない為の電子版あり表示などメタデータを数多く追加しました。書誌情報は、かなり充実できたのではと思います。

 多くの事に取り組んできたので、一人で横の繋がりを作れたことが、何より効果的だったと感じています。もしかしたら、業界に長くお世話になったことの恩返しになったのでは……とかしみじみ感じることがあります。

 この取組は、一歩進んで、視界が開けるとまた、新たな取組が見えてきます。終わりはないと思います。私も諸先輩方の教えを学びつつ、無我夢中での取組でしたが、これが途切れないように後輩に引き継ぐことも大事なのではと思う今日この頃です。

 継続は力なりと言いますが、個人でも、組織でも業界のための継続が大切ではと感じています。