電子本の挑戦

2022.10.03

JEPA顧問 三瓶 徹

 認知科学が専門の群馬大学柴田博仁教授ご自身による、デジタル読書の実体験分析を聞く機会がありました。……デジタル読書だと、内容は覚えているのだが、書籍の著者名とタイトルも覚えていなかった。書籍の印象が薄い。これは表紙を見る機会が少なかったことが原因だろう……、ということでした。

 電子本でも便宜上、底本の表紙をアイコンに使うことが多いと思います。電子本と言いながらいつまでアナログの表紙画像なのかな、とも思ってしまいます。また価格も紙の90%ぐらいが多いようですが、音声読み上げなど、機能が高ければ紙より高くても許されるのではないでしょうか。また読者のプロファイルに適応して価格がダイナミックに変わっても良いと思います。

 私の場合、買っても読まずに本棚の飾りになる本が多いのですが、難しい本を読み始めて早々に挫折した場合はお金を払わなくても済む、後払い方式があるとありがたいです。あるいは月額読み放題電子図書館であれば気兼ねなく読めますね……あれれ?Kxxx Unlimitedではないですか。

 月額読み放題電子図書館の場合、読者は価格に関係なく本を選ぶので評判が良ければ読者は増え、ミリオンセラーが出るかもしれません。しかし、元手が読者の月額利用料の場合は、運営者側が大赤字になります。読者が殺到して、商品を降ろしたことがありましたね。

 公共図書館が運営する電子図書館の場合、無料ですがタイトル数が少ない上、紙の本と同様に誰かが借りていると待たされます。ビジネスモデルに無理があります。デジタルの利点は圧倒的な利便性であり、これを抑えるビジネスモデルは不自然です。

 民間でも、本のジャンルを絞り、特定層向けであれば小さな企業でも月額読み放題電子図書館は運営でき、読者に喜ばれている例は多くあります。また新たに挑戦している出版社グループもあります。