キーパーソン・メッセージ

2017.07.03

『好機』

小学館 田中敏隆

二年半前の『キーパーソン・メッセージは〝転機〟という題で書いたこと』を三瓶事務局長からのメールで思い出した。転機をつかんだかどうかは、各社各様に業界の激流に流されつつ、変化するしかなかった数年なことだけは、共通しているだろう。

紙のビジネスとデジタルのビジネスが併走している会社は何れも同じだと思うが、電子書籍の元年以前から先駆けのデジタル・ビジネスを始めようとしては、敵は社内にあり・・・と悩まされた。

しかし、時が遷り、IT企業や同業他社がチャレンジを繰り返すようになる。敵は社内でも、今までのライバルでもない。従来型のビジネスを維持しつつ、新たなビジネスにチャレンジすること!誰も止める人はいない。これを〝好機・・・チャンス〟と捉えて挑戦をしたり、新発想を取り入れられるか・・・そのように考えると、実はボールが自分の手元にあること・・・に気がつく。

自分が迷ったり、戸惑ったり、実はブレーキを踏んだりしていないか。自分を見つめ直せば、今の難しい時代は〝好機〟に変わると思いたい・・・のは、私だけだろうか・・・・。

2017.06.04

アプリ! アプリ! アプリ!

新潮社  柴田 静也

前回2014年10月に『雑誌不況の果て』と題してこちらに寄稿してから2年半がたった。相変わらず、雑誌の部数は下がり続け、底が見えない状況だ。当時コミック雑誌のアプリへの移行を指摘したが、現在は求人の争奪戦も含めちょっとしたバブルの様相を呈している。コミック後発組の弊社でも、コミックの電子書籍に占める割合は年々増加傾向で、特に今年なってアプリの拡大には目をみはるものがある。
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コミックアプリの特徴は、無料であるが、個人的には「一話売り」に興味をひく。かつてのガラケー時代、通信環境の問題でコミックは「話」単位でしか販売することができなかった。それがスマートフォンの登場により、紙と同じ「冊」売りが可能になり、単価もあがり、一気に市場が拡大した。しかしアプリの登場により、また「話のバラ売り」時代が来たのだ。バラ売りだと、世界観が作りづらいとか、ライトユーザー向けとか、読み手が育たないとか、決して年寄のたわごとを言うまい。市場が求めている限り、善悪の判断をするまい。新たな表現方法、表現者も現れるだろう、ただただ身をゆだねるだけである。

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