キーパーソン・メッセージ

2016.07.06

drupa 2016視察レポート

萩原印刷  萩原 誠

今年のdrupa2016におけるメガトレンドは“Print4.0”です。ドイツ政府と産業界が提唱するIndustry4.0に対応した印刷業界のトレンドです。すなわちITを活用し生産性を向上することが目的です。IoTを活用し、『単一製品の大量生産』から『カスタマイズされた製品の大量生産=マスカスタマイゼーション』を実現することです。今回の主役の『デジタル印刷機』は、1)大型機(シート・ロール)と小型機の2極化、2)B2/B1デジタル印刷機の本格的な市場投入、3)ロールのインクジェット印刷機は1,200dpiに高解像度化、4)液体トナ―技術を使用したデジタル印刷機の増加、5)小型機は高付加価値化(多色化)へのシフトなどが上げられます。また将来はFA(ファクトリーオートメーション)化とロボット技術の採用でプリプレス→印刷→出庫・物流の各工程が自動化するなど仕事の流れも変わって行くことでしょう。また、小ロット化やパーソナライズ化のトレンドは今後ますます増加傾向にあり、drupa2016でも『あなただけの印刷物』の提案が多数みられました。印刷会社も世界の潮流を鑑みながら、新しい技術や設備の導入をお客さまともに考えて行かなければなりません。これからも新しい出版印刷に向けて前向きに取り組んで行く所存です。

2016.06.07

楽譜の話

NHK出版  小関 基宏

 先日、あるヴォーカルアンサンブルの演奏会で見かけ、すっかり驚いてしまった。それは演奏者が楽譜ではなくタブレットを手に舞台に登場したからである。
 私が編集者になったばかりの頃、楽譜は浄書を専門にする職人がすべて手作業で描いていた。音楽記号をツゲの木に彫刻したハンコで、あらかじめ“烏口(からすぐち)”で引いた五線の上に押印していたのである。均一で均等に整列した五線を引き、読みやすいレイアウトで仕上げられるようになるまでには10年以上の修行が必要と言われていた。その楽譜も書籍や雑誌と同様、印刷物から電子端末へ表現手段を拡げ、ついに本番の舞台に登場するに至ったわけだ。

  • 電子出版アワード
  • 図書館館外貸出可否識別マーク