キーパーソン・メッセージ

2018.04.10

電子出版とは

金原 俊  JEPA会長(医学書院)

 長年、「電子出版」事業に携わっており、現在はJEPA「日本電子出版協会」の会長も仰せつかっているが、最近、「電子出版」という言葉に違和感を覚えるようになってきた。

 JEPAが発足した電子出版の黎明期によく言われたのが、『電子出版には、「電子的な制作手法による電子出版(DTPなど)」と「電子媒体を活用した電子出版(CD-ROMなど)」の2種類がある』だ。前者の電子的な手法を用いた出版は、昨今、当たり前になりすぎて、とりたてて「電子出版」と呼ぶ必要もなくなったようである。『全てのテレビがカラーになったので「カラーテレビ」という言葉がなくなり、むしろ「白黒テレビ」という言葉が必要になった』の例え話のとおりだ。

 それでは後者の「媒体としての電子出版」はどうか? JEPA発足から30年経った今も相変わらず紙媒体がマジョリティなので、カラーテレビの例え話に従えば、今でも「電子出版」という言葉は必要だ。実際に出版界ではもう何十年も「電子出版を推進して出版不況を打開しよう」と電子化を進めているが、果たして本当にそうだろうか。
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2018.03.05

どうして今、紙なの

日外アソシエーツ 山下浩

 突然ですが2018年2月、大宅壮一文庫では「大宅壮一文庫 雑誌記事人物索引」2014年版、2015年版、2016年版をオンデマンド出版による冊子体で刊行し、小社・日外アソシエーツはこの編集・刊行・販売のお手伝いをすることになりました。
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 大宅壮一文庫が開いた発刊記者会見で、新聞社の若い記者から「どうして今、紙なの」という至極当然の質問が出ました。とくに若い世代の感覚では時代に逆行しているようで理解が出来なかったようですが、図書館からの反応は予想外に良いようです。図書館員はやっぱり紙が好き?
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○話は変わって、これらのことから私が思ったことです。

 本来データベース制作には、「分類体系」「シソーラス(統制用語)」「典拠録」「キーワード・件名付け」というものがあって、“人間が付与する”分類、キーワード・件名(固有件名/事項件名)が基本となっている、と私は教わったし、一昔前(どれくらい前!? そんなに昔でもない)のDBはみんなそうやって作られていた。対して、昨今のディスカバリーサービスやGoogle、YAHOOなどの検索サイトを見ると、全文検索が基本で、同義語・類義語・関連語などの辞書も含めて、AIによる検索技術によりそれらを補い、検索する人には裏側のいろいろな辞書・仕組みは意識をさせずに「検索窓に思いついた言葉を入れて下さい」となっている。「高度な検索スキルがなくとも求める情報を容易に入手できるように」なったということだろう。便利さに私もつい失念しがちだが「何かこの検索に引っかかっていない重要な情報が必ずある」という意識は常に持っていたい。
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