キーパーソン・メッセージ

2017.11.06

KinoDen登場

紀伊國屋書店  筒井 秀行

来年1月に紀伊國屋書店学術電子図書館 Kinokuniya Digital Library(通称KinoDen)をリリースします。国内の学術系電子書籍の新たなプラットフォームです。

大学・公共図書館向けには既に様々な電子書籍サービスが出ていますが、導入済みの図書館からは「国内の電子書籍については導入してみたがなかなか使われない」という話をよく聞きます。

いろいろ原因は考えられると思いますが、大学図書館に絞って考えてみると、①教員が本当に読みたい学術書や学生に読ませたい基本書・専門書がまだまだ足りない、②学生が読みたい時に気軽に読める環境が充分ではない、③電子化のタイミングが冊子より大きく遅れている(新刊が少ない)、④せっかく図書館で購入していても利用者がそれを発見できないでいる、⑤冊子と電子の商品情報が一元化されておらずタイムリーな発注が難しい...等々が挙げられるようです。

一方で大学図書館では、書架スペースの問題等により電子化へのシフトはこれから益々進んでいくものとの思われます。また、購入された電子書籍のビジビリティを上げるため、図書館OPACへのMARCデータの取り込みやディスカバリーサービスの導入等、様々な工夫がされていくでしょう。

この「電子書籍ラインナップの現状」を改善し、「大学図書館の電子化対応」を促進していくためには、大学が求めるコンテンツのタイムリーな供給が必要となります。出版社の方々のご協力を仰ぎ、一緒になって新しいモデルを作り上げていきたいと考えています。

私たちは、新プラットフォームKinoDenで利用者の利便性を向上させるとともに、出版社の方々にも納得していただけるようなビジネスモデルをKinoDen上で展開してまいります。

2017.10.06

ルビと文章の読み上げについて

日立コンサルティング  岡山 将也

ルビの振り方ひとつで、電子書籍リーダーがきちんと読み上げられるか(読み間違いがないという意味で、流暢に読むこととは別のことです)どうかが決まります。
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電子書籍リーダーがルビを解析して、きちんと読み上げさせるために、EPUBを制作する皆様に気を付けてほしいことがあります。それは、のセットを漢字のカタマリで割り当ててほしいのです。決して、一つひとつの漢字にこのセットを割り当てることは決してなさらないでください。

全ての漢字にルビを振る、“総ルビ”であれば、すべての漢字の読みがわかるのですが、パラルビはそう簡単ではありません。表記を一つ一つの漢字、夏、目、漱、石とそれぞれの漢字で括ってしまうと、意味のカタマリが漢字一文字に対応してしまいます。

 夏目漱石、せきをける?

夏を「なつ」と読むことは、それ以降あまり問題にはならないと思いますが、石を「せき」とすると、後ろの文章で、『石を蹴る』という文章があるとき、人間であれば『いしをける』と読みますが、ルビを忠実に守ろうとすると、『せきをける』になってしまいます。
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電子書籍を読み間違いの無いように読み上げできるようにするということは、“誰にでも読める”こと、すなわち“アクセシブルにすること”を意図しています。アクセシブルにすることは、障害者対応だけのことではありません。誰でも日本語を読み間違いなく読むことができるように記述することが、誰にでも優しいEPUBに一歩近づく活動かもしれません。まずは制作段階から表示だけなく、読み上げのことも考慮してEPUBを制作して頂くと、誰でにも読めるEPUBという将来につながっていくのでは、と思っております。

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