キーパーソン・メッセージ

2016.06.07

楽譜の話

NHK出版 小関基宏

 先日、あるヴォーカルアンサンブルの演奏会で見かけ、すっかり驚いてしまった。それは演奏者が楽譜ではなくタブレットを手に舞台に登場したからである。
 私が編集者になったばかりの頃、楽譜は浄書を専門にする職人がすべて手作業で描いていた。音楽記号をツゲの木に彫刻したハンコで、あらかじめ“烏口(からすぐち)”で引いた五線の上に押印していたのである。均一で均等に整列した五線を引き、読みやすいレイアウトで仕上げられるようになるまでには10年以上の修行が必要と言われていた。その楽譜も書籍や雑誌と同様、印刷物から電子端末へ表現手段を拡げ、ついに本番の舞台に登場するに至ったわけだ。

2016.05.08

えーっと天気は何番だったけ?

JEPA 顧問(元会長) 長谷川秀記

 JEPAの発足当時私は「出版界」が「電子出版界」になるというイメージを持っていた。30年経ち分かることは「出版界」が「電子出版界」になるのではなく、出版界以外にも多様な出版活動が生まれたということである。
 その変化は従来の商品が成立する範囲を狭くするかも知れないが、逆に今まで考えもしなかった商品を生む可能性も秘めている。出版社も多様な出版手段を手に入れたのだ。
 JEPAは今年30周年だそうだ。現在の電子出版の状況を見ると未だにこんなものかと少し落胆する。「書籍」が「電子書籍」になるでは進歩はない。もっとダイナミックな展開が必要とされているはずだし、その中で私たちが活躍することが期待されているのではと思う。

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