MathML

2022.09.09

MathMLとは

MathMLはMathematical Markup Languageの略で、電子化の際、原稿や文章に含まれる数学的記述、いわゆる数式を表すために用意されたXMLマークアップ言語である。

 

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構造と表現を表す構成

MathMLは、人間が視覚的に判断できる見た目としての表記と、コンピュータが数式として理解できる構造を定義する表記の2つの表現を用意しているXMLマークアップ言語である。

見た目を表す前者はプレゼンテーションMathML、構造を定義する後者はコンテントMathMLとして呼ばれることが多い。詳しくは、アンテナハウス株式会社が提供する『MathML 数式組版入門』などをご覧いただきたい。

 

電子書籍リーダーでのMathML対応状況

2022年9月現在、MathMLへの対応は進んでおり、とくにXML記述を解釈できるWebブラウザにおいては、Google Chrome、Microsoft Edge、Mozilla Firefoxなどは対応が進み、人間が視覚的に理解できるプレゼンテーションMathML、さらにコンピュータが機械的に解釈し、スクリーンリーダーなどによって読み上げに対応できるコンテントMathML、それぞれが問題なく利用できるようになってきている。

一方、CSS/XHTMLをベースとしたEPUBにおいてはどうかというと、残念ながらまだ問題なく利用できるレベルには達していないと筆者は考える。電子出版市場を牽引するAmazon Kindleでは、2018年頃からMathMLへの対応を発表し、使用できるタグの数は増えている。それでも、まだ完全なものではなく、きちんとした見た目(プレゼンテーションMathML)、さらに、それを読み上げるための機能(コンテントMathML)、それぞれにおいて改善の余地があると言えよう。

なお、数式の“見た目”での電子書籍での対応という観点で言えば、リフロー型EPUBにおいて数式そのものを画像化し埋め込むものや固定型EPUB、PDF、さらにAmazonが取り組むプリントレプリカなど、対処としての対応は行われている。

 

[馮 富久 株式会社技術評論社株式会社GREEP  20220905]

 

 

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