JEPA委員会に入ろう!
第5回 広報委員会の紹介インタビュー

JEPAの活動やサイト運営、電子出版の情報発信など幅広い広報活動を行う
『広報委員会』とは?

日本電子出版協会(JEPA)では、現在7つの委員会で電子出版に関わる活動を進めております。
皆さんに委員会へ参加いただけるようにJEPA委員会紹介企画の第5弾として、JEPAの活動についての方法や公式サイト運営 ニュースリリース、SNS更新やJEPA電子出版アワードの開催など幅広い活動を行う広報委員会をご紹介させていただきます。

本日は、委員長の生駒大壱(いこまだいいち)さんと神宮司信也(じんぐうししんや)さんにお越しいただきましたので色々と広報委員会についてお伺いしたいと思います。

名称:広報委員会
委員長:生駒大壱(旺文社)
メンバー:7人
活動頻度:月1回
活動内容:
 1)「今さら聞けない電子出版の始め方」セミナーの継続実施
   JEPA 入会促進とプレゼンス拡大を目的とする
 2) JEPA サイトのアクセス増につながる施策の検討・実施
 3) JEPA電子出版アワードの実施運営

委員長の生駒大壱(いこまだいいち)さん、神宮司信也(じんぐうししんや)さん
左・生駒大壱さん 右・神宮司信也さん

JEPAのアクセス数を変えた!eBookPediaの戦略

――広報委員のメンバーや活動内容、活動頻度などを教えてください。

生駒:委員は全部で7名で色々な会社の人がおります。私が委員長を務めております旺文社の生駒です。

神宮司:特別個人会員の神宮司です。

生駒:他にも萩原印刷の三田さん(当インタビュアー)やパピレスの上田平さん(当記事編集)、JEPA事務局長の清水さん、個人特別会員の神藤さんやプラットフォーム委員会委員長の下川さんなど多士済々なメンバーが揃っております。

――活動内容について教えてください。

生駒: JEPAのプレゼンスをアップしてJEPA入会を促進するPR業務をやっています。基本の活動としてはJEPA公式サイトの運営や毎年のJEPA電子出版アワードの運営などを行っており、それ以外にも毎年一つくらいイベント的な企画に力を入れております。

――どれくらいの頻度で活動されているのでしょうか。

生駒:だいたい月一回ですね。イベントや委員会の活動がある時は関係しているメンバーだけ別途Slackなどで連絡を取り合いながら進めるという感じで、リアルで会うことはあまり多くないと思います。

――最近ではどのような活動をされているのか、詳しく教えていただけますか。

生駒:最近は、この『委員会に入ろう!』というインタビュー企画を進めています。JEPAに参加されたからには委員会に入って色々な活動をしていただかないと意味がないというくらい受け身では得るものも少ないと思いますので、できるだけ皆さんに委員会へ入っていただけるような活動の一つとして、委員会のメンバーにインタビューすることで魅力をお伝えしていこうとしています。今はこの活動に力を入れてます。

特集 JEPA委員会に入ろう!
特集 JEPA委員会に入ろう!(https://www.jepa.or.jp/jepa/commitee/join/

――では広報委員会の活動の中で、特に大きな実績となったものはありますか?

生駒:私が一番印象に残っているのはJEPA公式サイトに掲載している『いまさら聞けない電子出版のABC~eBookPedia~』というコンテンツです。このeBookPedia(イーブックペディア)というのは電子出版の用語を全三回にわたって全部で133ワードを電子出版初心者にも分かるように解説するという企画です。神宮司さんが発案されまして、初代編集長も務められました。

――eBookPedia企画はどのように進めて来られたのでしょうか。

神宮司:2014年頃にJEPAのサイトをリニュアルしたいという話があり、せっかくならこれを機に新規会員獲得のための施策を何か打ち出したら良いのではと広報委員会でお諮りして出てきたのがeBookPediaでした。2000~2010年代前半の頃はまだまだ皆さん「電子書籍をどうやって作るのか」「どんな風に作るのか」というような疑問を持っていらした時代でしたので、JEPAに参加した際のメリットやイメージを具体的に持っていただくために、「どうしたら電子書籍を作れるのか」といったような用語の辞書サイトを作れば活用してもらえるのではと考えました。辞書コンテンツはGoogleの検索に引っかかりやすいということを肌で感じていたこともあり、このようなコンテンツを作ったらどうかと提案して2015年から第一期を始めました。

――当時の苦労話や嬉しかったことなどあれば教えてください。

神宮司:叩き台は私が作ったのですが、eBookPediaに載せるための用語を集めることがそもそも大変でした。私自身が出版社内での電子化プロジェクトで社内の色々な意見調整や体制作りをしたり印刷会社にお願いしてInDesignからデータをもらったりと苦労した実体験や、療養施設に入っていて元気のなかった父親のために、父が詠んでいた俳句集を2013年に当時できたばかりの『でんでんコンバーター』というサービスを使って電子書籍化した経験を基に140~150件ほど候補をリストアップしました。このように用語のリストをどう作るかについては随分と苦労致しました。『(原稿を)誰にお願いするか』という問題についても大変で、出版社のサイト内でブログなどの記事を書かれている方をリストアップしてお願いに回ったり、そういった苦労を経て最初の書き手5人を見つけてお願いをした次第です。eBookPediaを作成して良かったことはアクセス数の増加です。やはり辞書系コンテンツはGoogleの検索結果に出やすいということが分かりました。JEPAのサイトでは結構な頻度でアクセスされていて嬉しかったですね。

神宮司氏
神宮司氏のSEO対策が功を奏しJEPAサイトのアクセス数は跳ね上がった

生駒:JEPAのサイト全体のアクセス数の4割がeBookPedia、一時は5割超えていたこともあるんですよ。これは凄いですよね。正直始めた時はそんなになるとは思わなかった。神宮司さんは当然の結果と思われていたかもしれないけど、僕は凄いなと思っています。

――デジタルの言葉は意外と詳細が分からない事が多いので、知らない言葉や、よく耳にするけど実際どういう意味なのかは分からないという時、私も(eBookPediaで)よく調べます。

神宮司:ヒューマンリーダブルとマシンリーダブル、要は『人にとって読みやすい』『機械(Google)にとって分かりやすい・選びやすい』の両方を兼ね備えたものでないといけないと思っていて、そのためにどんな工夫が必要かを私なりに考えました。各項目の1番最初では、まず『〇〇とは』という形で論文のアブストラクトのように200文字程度の簡単な説明をして、次に実務に即した『実際に電子書籍を作るにあたってどのような意味を持つ用語なのか』という具体的な説明をするという様に2つに分けて記述する形にしたことは、案の定上手く行ったかなと思っています。

生駒:素晴らしい。僕もそれ以降は神宮司さんの提案は真面目に取り入れるように聞くようにしています(笑)。

いまさら聞けない電子出版のABC ~ebookpedia~
いまさら聞けない電子出版のABC ~ebookpedia~
https://www.jepa.or.jp/ebookpedia/

いろんな人間がいて、いろんなことが出来る。それが面白い!

――広報活動の中で他の委員会であったり多種多様な業界の方と接することも多いと思いますが、印象に残っていたり面白かったエピソードなどはありますか。

生駒:ちょっと質問の趣旨とずれているかもしれませんが、電子図書館委員会から同委員会が推進している学校デジタル図書館のPR動画を広報委員会で作ってほしいという依頼があって、それを作ったのが結構印象深い出来事でした。上田平さんに本太郎(ほんたろう)というキャラクターのイラストを描いていただいて、今インタビュアーをされている三田さんが声優として登場するという、なんとも手作り感満載なのにいい感じっていうね……あれを作ったのが、なかなか趣味と実益を兼ねていて楽しかった思い出ですね。

つくろう!みんなの学校デジタル図書館
つくろう!みんなの学校デジタル図書館
https://youtu.be/aBvkMGTgDKk?si=nsc7s7owcEFnhjfY

――最近最も力を入れている活動を教えてください。

生駒:今一番力を入れているのは、この『委員会に入ろう!』です。その後は『JEPA大会議』というJEPA会員によるフェスみたいなものをやりたいなと考えています。フェスと言っても別に音楽を演るわけではなく、JEPA会員の中には色々な面白い会社やタレント(技術者)の方がおりますので、そういった方々が「私たちのサービスはこんなでっせ」、「私こんなことできまっせ」など、そういうプレゼンをするような会を開催したいと思っています。が、こんな構想はあったのですが今秋にビジネス研究委員会が開催する予定の第2回JEPA技術展と被るので、来年あたりに実施できればと思っております。

――フェスと言うとやはりリアルでの開催+会場の様子を配信するような形になるでしょうか。会員の方も実際に会ってお話したい方が多いと思います。準備などは大変になると思いますが……。

生駒:色々言い過ぎたかもしれない(笑)

神宮司:大風呂敷で、まずは構想を練っているということです。

『やってみたい』を集めて『面白い』を作り出そう!

――広報委員会はどのような雰囲気なのか教えていただけますでしょうか。

生駒:このように僕は軽くてユルいタイプなんですけど(笑)、委員会だけは普通に淡々とやってるような気がします。みんな忙しいから、あんまりユルくやったら悪いかなという気持ちが正直あるんですよ。とはいえ15分で終わっちゃっても失礼かなという気もする。その微妙なところが今の運営に出ていると思います。飲み会も年に何回か、その時はほぼお友達感覚でやらせていただいてます。神宮司さんどう思います?

神宮司:いいじゃないですか。生駒さんのお人柄で、皆さん和気藹々とできているので広報委員会の雰囲気はいいと思います。

――広報委員会のメンバーはどのような方々なのか、改めてお聞かせいただけますか。

生駒:他の委員会は、例えばビジネス研究委員であれば電子出版でどうビジネスをやっていくかの勉強になるなど、委員会に参加することで何かしらのメリットがあると思いますが、広報委員会というのは何のメリットもありません。いまどんな方が参加してるかというとボランティア精神に溢れる方ということになります。例えば神藤さんは20、30年前…委員会が出来た時からずっと広報委員でいらして、退職された後も特別個人会員としてご参加いただいており「本当にありがとうございます」と胸が一杯です。

――委員のお二人の普段のお仕事について教えていただけますか。

生駒:僕は教育出版社の旺文社という会社で経営者をしているので、普段は一応ちゃんと経営の仕事をしております。JEPAの人たちのほとんどは僕が経営しているということを信じられないという感じで見ていると思いますが、個人的には実務肌なので、色々な動画を作ったり議事録を作ったり書類を作ったりするのが好きです。

――では神宮司さんの普段の仕事についてお聞かせてください。

神宮司:2016年くらいにリタイアした年金生活者なので仕事とは言えないかもしれませんが、『ブログ記事を書いてアップする』『ウェブ上の色々な記事の中から「こういうのは読むといいですよ」というものをセレクトしてメルマガで紹介する』、最後に『iCardbook』という紙の在庫を持たない電子出版専門レーベルの3つをやってます。

生駒:元々は出版社の方ですよね。

神宮司:朝倉書店と丸善出版の2つを経験してます。その前は銀行です。

――今後開催していきたい活動などはありますか。予定されている活動や、こういうことがしたいなどありましたら。

生駒:具体的なものはJEPA大会議になりますが、ベースにある思想は『何か面白いことをしたい』なんです。当たり前のことを当たり前にやるだけではちょっと面白くない。ちょっとだけ……ほんのちょっとだけ「面白いな」「やってみたいな」ということを取り入れていきたいなと思います。ボランティアなので『やらされてる感』では面白くないし、良い企画もできないと思いますので、面白いことをしたいという気持ちで広報委員会の仕事に取り組んで、ちょっとバズリたいなとは思ってます(笑)。

「面白いこと」をやっていきたいと語る生駒氏
「面白いこと」をやっていきたいと語る生駒氏

――神宮司さんは、何かありますか。

神宮司:私はeBookPediaを考えた時もどう新規会員を集めるかということが大きな割合を占めていたのですが、今回生駒さんが仰った『会員向けにJEPAの活動を伝えて組織を活性化していこう』ということは私にとって本当に目から鱗でした。具体的に何かあるわけではありませんがJEPAをアピールすることに加えて今後はJEPAの内側に向けて様々な活動をしていくことも大事だなという風に思っています。

生駒:大体毎年数社が加入して数社がいなくなるので、いなくなることを防げれば増える訳ですね。

――参加社を維持するような活動を行っていくと。

生駒:そういう作戦です。

――広報委員会に参加して良かったことは何でしょうか。

生駒:普通に仕事をしていたら知り合えないような方々、三田さんや上田平さんのような(僕らの中では)若い人たちや、神宮司さんや下川さんのようにベテランの方など色々な方とお付き合いできて、一つの目標に向かって何かやっていける素晴らしい委員の方々と知り合えたのは一番良かったなという風に思います。

神宮司:全く同感で、とりわけ年金生活であまり社会との接点が多くない中、色々な方と話せるというのはとても大事で、刺激になっています。ありがとうございます。

生駒:お二人にも一応聞いとかないと。上田平さん、広報委員会に入って良かったこと、悪かったこともついでに言ってもいいです(笑)

上田平:先ほど生駒さんが仰っていた学校デジタル図書館の宣伝動画の件で、自分の絵をそういったことに使っていただくことは今までなかったので非常に嬉しかったですね。また以前JEPAのPR動画を作った事があるのですが、動画の知識ゼロから作り上げたことは本当に良い経験で、今までなかった体験をさせていただきました。

日本電子出版協会(JEPA)入会案内:セミナー参加編
日本電子出版協会(JEPA)入会案内:セミナー参加編
https://youtu.be/quq3K8RCpK0?si=QxCyOs1xc5_BQGM7

生駒:JEPAだとプロでなくても、とりあえずの手作り感でも許されるっていうかね。

上田平:『とりあえずやるだけやってみよう』で出来るようになったことは良い経験になりました。

生駒:三田さんはどうでしょう。

三田:会社は出版関連の印刷をやっているのですが、私は完全に出版からは外れていてWebサイトの作成などをしております。ですので出版の流れや電子書籍も専門的なところまでは分からず、委員会の話が少々難しく感じることもありますが、業界最新の話が聞けたりセミナー聴講の機会が出来たという意味ではJEPAに入ることで知識が増えたと思います。あとは出版社の人と繋がりが持てたというところもあります。

生駒:お仕事に繋がっているんですよね。弊社もお仕事をお願いしています。

三田:ありがとうございます。JEPAに入らないと会わなかったというか、新規では会いにくい業界とも繋がりが持てました。

――今後どういった方に参加を期待していますか。

生駒:色々と新しいことをやりたいんですが、みんな何年もいるので新しいことを思い付きにくくなってしまっています。フレッシュな感覚で新しいことや面白いことを思い付いてくれる人、そして生駒の後を継いでくれる人、そういう方を求めています。

神宮司:人々が情報探索活動としてWEB検索をしているというのが大前提だったのが、2015~2016年くらいにアメリカでFacebookのトラフィックがGoogle検索のトラフィックをひっくり返しました。SNSがさかんに言われるような時代になってきたところに今度はChatGPTが出てきて、いよいよ検索という行為そのものが消えるかもしれない。このようにWEBの生態系が変わってきているので、是非新しい知見を持ったフレッシュな方にご参加いただいて、この広報活動もより新しい時代に即した活動が出来るようになれると良いと思います。

――広報委員会について色々とお伺いすることができました。委員長の生駒さん、委員の神宮司さんありがとうございました。


JEPAへの入会・委員会のへの参加を検討されている方は、下記よりご連絡いただければ事務局よりご連絡を差し上げます。

お問合せフォーム:https://www.jepa.or.jp/contact
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インタビュアー JEPA広報員会・三田桂子(萩原印刷株式会社)
編集 JEPA広報員会・上田平結城(株式会社パピレス)
※この文章はインタビュー音声を元にFaster-Whisperで文字起こしされています。