JEPA委員会に入ろう!
第2回 定例会運営委員会の紹介インタビュー

JEPAセミナー・定例会を担う
『定例会運営委員会』とは?

日本電子出版協会では現在7つの委員会で電子出版に関わる活動を進めています。
皆さんに委員会のことを知って参加いただけるようにJEPA委員会紹介企画第2弾として業界のトレンドから専門的なジャンルまで様々なテーマで年間約30回開催されるJEPAセミナー・定例会を担う『定例会運営委員会』をご紹介させていただきます。

本日は、委員長の旺文社・古橋明子(ふるはしあきこ)さん、委員でありプラットフォーム委員会委員長のイースト相談役・下川和男(しもかわかずお)さんにお越しいただきましたので、定例会運営委員会について色々とお伺いしたいと思います。

名称:定例会運営委員会
委員長:古橋 明子(旺文社)
メンバー:5人
活動頻度:月2~3回(最近はZOOMミーティングが中心)
テーマ:電子出版がビジネスとして実業フェイズとなってきたことを踏まえ、電子出版に関わる各ジャンルやバランスを意識したテーマ設定、講師選定を行う。
また講師による講演を基本としながらも、講演後のオンライン交流会をはじめ、テーマに応じて柔軟な形式を検討、設定し参加者間の交流を図る。

豊富な人脈を活かした多彩なセミナー

――定例会運営委員会(以下「定例委員会」)のメンバーや活動内容、活動頻度などを教えていただけますでしょうか

古橋:私が委員長2期目を務めております古橋です。メンバーは下川さんと私のほか、3名の委員がおりまして、計5名で活動しています。活動内容としては月に2、3回、年間で約30回のオンラインセミナーを企画運営しています。
最近は共催セミナーにも注力していまして学術情報XML推進協議会、APL(Advanced Publishing Laboratory)、日本DAISYコンソーシアムとの共催セミナーを定期的に開催しています。

――JEPAのセミナー運営を一手に担っている定例委員会はプラットフォーム委員会の下川さんと協力して実施されていることも多いとお聞きしていますが、役割分担などあれば教えてください。

古橋:企画のほとんどは下川さんにお願いしておりまして、下川さんの人脈を活用して定例委員会でもセミナーを実施しています。私は当日の司会進行やちょっとした講師のフォロー、理事会の報告といったところを担当しております。

――企画は下川さんが行われているとのことですが、いつも下川さんが考えられているのでしょうか。

下川:プラットフォーム研究会は2010年か11年にEPUBに関わった際に設立したのですが、私はコンピューター関係と出版関係両方に携わっていて知り合いが多いので、ちょっと声をかけるような形でセミナーを開催しています。

業界注目のテーマをいち早く!

――色々な方とお知り合いというところもあって、様々なセミナーを開くことができるということですね。例えばどのような方に講師をお願いされているのでしょうか。また最近の活動や定例会のテーマなどお聞かせいただけますか。

古橋:電子出版に関わる部分で技術的なテーマや教育系、マーケティング、コンテンツデザインのようなところを中心に専門に携わっている講師の方にお声掛けしていることが多いですが、専門性だけに偏るのではなくて一般性だったりトレンドや基礎のようなもののバランスも意識してお話のやさしそうな講師にお願いすることもあります。
最近の参加者や視聴回数の多いテーマとしてはアクセシビリティや国立国会図書館動向といったものですが、直近ではやはりChatGPTのテーマを扱ったものが非常に伸びており、タイムリーなキーワードが含まれているものは興味を引きやすいと感じています。

下川:定例委員会のメンバーである大修館書店の山口隆志さんから「ChatGPT面白そうですね」という話があり、全3回のセミナーを開くことにしました。
第1回はメタデータ代表取締役社長の野村直之さんに講師をお願いして、その回の動画は現在視聴数5000を超えています。第2回はJEPA広報委員会の神宮司信也さんから提案いただいて、データセクション創業者の橋本大也さんにお願いをしました。第3回は橋本さんと一緒に『アナロジア』という本を翻訳され仲が良い、元朝日新聞の服部桂さんにお願いしたという経緯です。

相性抜群のYouTube セミナー動画のアーカイブは70本以上

――ChatGPTは電子書籍業界だけではなく一般の方々も興味を持っているので、YouTubeの動画再生数も多かったように思いますが、多くの方が興味を持たれるようなセミナーでは、当日の参加人数は多い時でどれくらいなのでしょうか。

古橋:これまでは多くて300名程度、平均150名くらいだったのですが、先ほどのChatGPTのテーマの時は申し込みが1000名以上、700名近い参加者がいました。

――現在セミナーはオンラインで行われているのでしょうか。

古橋:はい、ZOOMとYouTube併用で実施しています。参加人数が多くても開催しやすく、終了後に公開しているYouTubeアーカイブでも結構な視聴回数を記録しています。

――YouTubeで公開されているセミナー動画の本数や再生数を教えていただけますか。

古橋: YouTubeのアーカイブは現在70本以上アップされています。再生回数は多いものでは5000回以上見られておりますが、通常は1000回程度をよく見られているという指標にしております。また見やすいようにテーマ別で再生リストを作成しています。

YouTube再生リスト
テーマ別に整理された再生リスト(https://www.youtube.com/@jepa1/playlists

――今までの活動で特に大きな実績となったものや成果があれば教えていただけますか。

下川:国会図書館の方に毎年1回はセミナーをやっていただいています。国会図書館の『国立国会図書館ビジョン2021-2025』は今の日本にとって非常に良いものだと思っていまして、国会図書館のデジタル化はどんな形で進んでいるのか全国民に影響するような内容を扱えているので、それが毎年報告できるのは幸いです。
※参考:ビジョン2021-2025 国立国会図書館のデジタルシフト
https://vision2021.ndl.go.jp/

委員下川さん
下川和男委員
(プラットフォーム委員長)

――委員会の活動全体で印象に残っているエピソードなどはありますか。

古橋:メールでのやり取りが活動の中心なのですが、暑気払いや忘年会を開催して実際にお会いするという機会もあります。会議を兼ねて飲みに行くような形でアイディアを出し合うような会にすることもあります。そういった場は楽しいですね。
また講師の方にお声掛けする中でのエピソードとして、初期の頃は声をかけても無視されることが飛び込みだと多かったと思います。下川さんの人脈で瞬時に決まるという活動はすごいなといつも思っております。

――現在は直接よりもメールやオンラインの方が多いのでしょうか。

古橋:そうですね、直接会うのは飲み会くらいです(笑)委員会活動もオンラインなのでどこからでも参加できると思います。

――定例委員会にはどのようなメンバーがいらっしゃるのでしょうか。

古橋:私たちのほか、元JTBパブリッシングの井野口正之さん、医書ジェーピーの沼田久美さん、大修館書店の山口隆志さんの5人ですね。専門性の高い出版社の方が多いので、お話も幅広く知的で和やかなメンバーだと思います。
先ほどの話でChatGPTの案を出してくださった山口さんのようにトレンドをウォッチしてるような方がいらっしゃるので非常に助けられています。多角的な視点を持てる、いいメンバーに恵まれています。

――委員会のことについてお聞きしてきましたが、お二人が普段どういったお仕事をされているのか、その中でJEPAと関わることはあるのか教えていただけますか。

古橋:私は教育出版社である旺文社に勤めていまして、業務内容としてはコンテンツを外部提供するライセンスの仕事をしています。なので教育ICTのようなジャンルとは割と近いところにおり、委員会の活動とは近しいところもあります。
教育ICT関係の旺文社社員のセミナーや、旺文社のベンチャーキャピタルのセミナーを企画したり、JEPAにも色々とお世話になっているというような状況ですね。

――下川さんはJEPAの企画などを数多く発案されているとお聞きしましたが、普段はどのようなお仕事をされているのでしょうか。

下川:電子復刻といって古い本をデジタル化する事業や、教育ICT関係で文科省やデジタル庁と一緒に教育データ標準や文字セットに関する助言を2年間(現在3年目)行っております。
またアクセシビリティについても総務省から依頼を受けてPDFからHTMLやEPUBを自動生成する技術など、いくつかの事業を会社の中でやっています。

人と人との繋がりが新しい出会いを生む

――今後開催していきたいテーマや、セミナーをやっていただきたい講師の方、また「こういうことがしたい」というものがあれば教えていただけますか。

古橋:教育ICTジャンルは色々やっていきたいと個人的には思っています。

下川:(講師をお願いしている人の中に)毎年1回はお願いしているご常連という方々がおりまして、馬場公彦さん(北京大学外国語学院外籍専家)や落合早苗さん(O2O Book Biz株式会社代表取締役)のような数人の常連の方だけで年間10本近くはセミナーを開催しています。
また新しい企画を考えていて、ChatGPTの話で非常に盛り上がったので、具体的にはまだ相談していないのですがこの方なら受けてくれるだろうと思える人をリストアップしていて、そういう方達にお願いしようと考えています。
Adobe SenseiのAI技術も結構面白いし、マイクロソフトのAIの話など、生成AI系やChatGPT系にもう少し踏み込もうかなと考えています。

古橋:下川さんの「お願いします」の1行で皆さん依頼を受けてくださって、打ち合わせもなしにパッと当日を迎えられたり、それが凄いなと思います。
私が誰かにお願いしたりすると事前の詳細な打ち合わせを求められたりなど結構皆さん心配されたりするんですけど(笑)

――定例委員会に参加して良かったことや仕事に活かされたことなど何かあれば。

古橋:セミナーの企画運営みたいな部分でも本当に勉強になることはたくさんあるのですが、関心を持ちにくいような専門性の高いテーマに主催者側として触れられるというのは非常に勉強になり刺激的だと思います。知識がついていかないところがあって申し訳ないのですが、勉強中ということで(笑)
普通に過ごしていたらあまり接点がない委員の方々とも、こういう関係の中で一緒に企画をするようなコミュニティができるのは良いことだと思います。

委員長古橋さん
古橋明子委員長

下川:セミナーを企画することで僕も人脈がまた広がるんですよ。
直接担当の方を知らなくても誰か一人を介すと分かるようなことが結構あるので色々な人から話を聞いています。
また、セミナー動画をアーカイブに残すということが人によっては非常にありがたがられることがあり、例えば先ほどの服部さんは、今回のセミナーは彼が監修した本『アナロジア』の説明なんですよ。
オンラインなら講師の自宅からできるから簡単なんですよね。自宅から60分喋ればいいだけだから。講演が終わった後何を言われたかというと、「また本書いたらよろしく」って(笑)
それが色々な人のアーカイブに混じって表示されてSNSで拡散されていく。
そんな仕組みがYouTubeでできていて、この枠組みの中に講師の皆さんのものが全部入っているということ自体が、皆さんにはとても心地いいみたいですね。この短いURLで必ず見ることができるわけだから。

YouTube過去のセミナーが70本以上アーカイブ
過去のセミナーが70本以上アーカイブされている
https://www.youtube.com/@jepa1/streams

また講演者とJEPA会員社のビジネスが繋がってゆくということも度々あります。例えば、中国の電子出版事情のセミナーをしてくださった馬場さんからは、 旺文社の書籍を中国でローカライズできないかという話が出たりしています。
馬場さんは日本の出版社と中国の出版社を繋ぐ架け橋のようなことをやりたいとはっきり言ってるから、お願いすればいいと思いますよ。

古橋:馬場さんのセミナーの司会進行を私が担当したご縁で、セミナー後、旺文社の中国での海外版権ビジネスについてもお伝えし情報交換することができました。

下川:日本電子出版協会の役割のひとつは色々な人とのコミュニケーションをどう取るかなので、そういう意味ではとても良いことだと思います。

――定例委員会では今後どういった人の参加を期待していますか。

古橋:広く色々な人との繋がりを楽しめたり、様々な話題に興味があって好奇心が旺盛な方に参加していただけるといいですね。

下川:(定例委員会は)みんなで議論しようというような委員会ではないんですよね。JEPA事務局の一部・スタッフ部門だと思っているので、「色々な人が参加して何か面白いことでも」というところでもないんじゃないかなと思っていて(笑)
色々なJEPA会員の皆さんから「こんなセミナーやりたい」とかね。自薦もお願いします。
セミナーの提案とか欲しいですね。

――定例委員会についてお伺いすることができました。古橋さん下川さんありがとうございました。

定例会運営委員会 委員長と委員

JEPAへの入会・委員会への参加を検討されている方は、下記よりご連絡いただければ事務局よりご連絡を差し上げます。

お問合せフォーム:https://www.jepa.or.jp/contact
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インタビュアー JEPA広報委員会・三田桂子(萩原印刷株式会社)
編集 JEPA広報委員会・上田平結城(株式会社パピレス)
※この文章はインタビュー音声を元にChatGPTで文字起こしされています。
Glarity-Summary for Google/YouTube (ChatGPT)