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2026年4月20日 小林龍生氏:文字は情報の器ーードラえもん担当編集者の波乱万丈戦記

1. イントロダクション
 挨拶とJEPA40周年への祝辞
 「3つの時代」の提示:

  1976~1989:小学館(編集者として文字に触れる)
  1989~2009:ジャストシステム(標準化の戦い)
  2009~現在:CITPC(文字情報基盤、公共の利益へ)
 本日のテーマ: 活版印刷からデジタル、Web、そしてAIへ。技術が変わっても変わらない「文字」への向き合い方。

2. 第1章:重さのある活字からデジタル情報としての文字へ
 小学館「学習雑誌」時代:

    •   活版、凸版、写植が混在していた1970年代の現場。
        ナール、ゴナの登場と「書体」が持つ情報のインパクト。
       原体験: 文字が「金属」や「フィルム」という物理的な制約から解き放たれようとしていた過渡期の記憶。

3. 第2章:Unicodeと標準化、それは「言葉の主権」を巡る戦い
 ジャストシステムへの転身と浮川夫妻との出会い:

      •   村田真や故・樋浦秀樹と共に挑んだ、規格化という名の「陰謀術数の限り(笑)」。
          一太郎、日本語入力システム(IME)の開発を通じて直面した規範性と記述性の狭間。

         「ユニコード戦記」の裏側:
          Unicode 1.0の衝撃と、漢字をどう守るかという国際交渉
         結論: 標準化は単なる技術仕様ではなく、その言語を話す人々の文化を守るインフラである。

4. 第3章:IVSから文字情報基盤、そしてCITPCへ
 沖浜で見た大量のドットインパクトプリンター:

    •   人名・地名に存在する膨大な「字体の相違」をITでどう扱うか。

       IVS(Ideographic Variation Sequence)の普及:
        「敵」だったマイクロソフト(加治佐氏)との共闘。「日本語のためになることをやりましょう」という言葉から始まった新たな挑戦。

  •  文字情報技術促進協議会(CITPC)の役割:  
      デジタル庁や文化庁とも連携した「文字情報基盤」の構築。

5. 第4章:これからの文字、これからの出版
 木田泰夫氏との「JLreq-D」やディスレクシア対応への視点:

    •   Web組版やアクセシビリティなど、文字の役割はさらに広がっている。

  •  JEPAの40周年とこれからの40年:  
      「ボーンデジタル」世代のための新しい日本語文化の創造について。

6. 結びとQ&A
 バディ(相棒)たちへの感謝: 戦い半ばで逝った仲間たちへの責務。

 
■講師 小林 龍生 
東京大学教養学部科学史・科学哲学分科卒。小学館編集部、ジャストシステムデジタル文化研究所を経て、個人として情報通信技術と日本語文化の接面で活動してる。元ISO/IEC JTC1/SC2/Chair、元Unicode Consortium Director、元International Digital Publishing Forum Director。一般社団法人文字情報技術促進協議会会長。著書に『ユニコード戦記』(東京電機大学出版局)、『EPUB戦記』(慶應義塾大学出版局)など。
 
■開催概要
日時:2026年4月20日(月) 16時~17時半
料金:どなたでも無料
会場:オンライン YouTube Live(定員ナシ)またはZoom(100名)
主催:一般社団法人 日本電子出版協会(JEPA)