連載 キーワード設定の現場から

サルマル    


 サーチャーという職業名は日本語として認知されているのに、検索キー設定者という職業は聞いたこともない。

 サーチャーが検索するキーワードは天から降ってくるわけではなく、向こう三軒両隣の当たり前の一般人が設定している。
 かくいう私も見よう見まねで10年ほど某CD-ROMのキーワードを設定してきた。
 データベースは巨大な砂山からたった一つの砂粒を見つけ出す技。キーワード設定者はユーザーが求める項目に必ずたどり着けるよう日々努力を続けている。夢は大きいが、これがいうほどたやすくない。

 検索キーを設定しながら考えた。日本語とキーワードとはあまり相性が良くない。造語能力や変幻無下の言い換え。愛すべき日本語は検索にとっては迷宮かも知れぬ。

 検索という世界からみた日本語の風景を紹介するのも読者諸氏のお役に立つかも知れない。
 もとより国語学者ならぬ身。実務の上でのこぼれ話ゆえ正確さに欠ける部分もある。気軽にお付き合いのほど。



 仕事の中で拾った日本語の面白さを『情報管理』(科学技術振興事業団)という雑誌に連載中です。このページは『情報管理』編集部の協力をへてバックナンバー分について転載したものです。
 →『情報管理』のホームページ
BACKNewsletterのTopに戻る
Homeトップページに戻る